Pig & Danとその他のダブ・アルバム
Destination Unknown 2 / Pig & Dan
スペインを中心に活躍し、数々のフロア・ヒットを飛ばすプログレッシブ&テックハウス・デュオ、Pig&Danの最新3枚組アルバム。ダブテクノをベースに、ゆったりとしたテンポでトリップホップ、瞑想的なチルアウト曲が続く1枚目から始まり、2枚目ではそれが徐々にディープなラテンソウルのテイストを帯び始める。3枚目はヒップホップから始まり、それはジャズ、レゲエの喧騒へと収斂してゆく。3枚のアルバムそれぞれが朝、昼、夜を象徴し、それはあたかも音楽に満ちた豊かな一日を描き出したシンフォニーであるかのようだ。下のYouTube動画リンクではイギリスのトップDJ、John Digweedによるアルバム曲のミックスが聴くことができる。
Stepping Into A New Age 1980 - 2012 / New Age Steppers
New Age Steppersがこれまでリリースした4枚のアルバム『The New Age Steppers』(1980)、『Action Battlefield』(1981) 、『Foundation Steppers』 (1982)、『Love Forever』 (2012) と、レア&ダブ・ヴァージョンを収録したアルバム『Avant Gardening』(2021)の5作品をオールインワンにパッケージしたボックスセット。CDセットだと4000円程度するが、BleepからのD/L版ならなんとUSD9.99(1500円ぐらい)! まあしかし、通して聴いて思ったのは、アリ・アップはあまり歌が上手くないよな、ということであった……。
Megabit 25,1992-Dub / Prince Far I
「プリンス・オブ・サンダー」ことプリンス・ファー・Iの死後、1997年にリリースされたアルバムだが、実際はオリジナル・アルバムではない。本作のプロデューサーであるロイ・カズンズの過去のカタログにプリンス・ファー・Iのヴォーカルをミックスしたものなのだ。とまあそんな経緯がありつつもダブ・アルバムとしての破壊力は抜群で、むしろ灰汁の強いプリンス・ファー・Iのヴォーカルを上手い具合にダブの中に落とし込んでいるように感じる。
リトアニアのダブテクノ・レーベル、Grayscaleのアルバム
Greyscaleは2012年にリトアニアのプロデューサーでDJの Grad_UとフォトグラファーのRima Prusakovaによって立ち上げられた、ダブテクノを中心にリリースするレーベルだ。アルバム・ジャケットはどれもRusakovaによる静謐なモノクロ写真で統一され、アルバム曲の瞑想的な曲調を暗示するのだ。ダブテクノというとなにしろミディアムテンポのミニマルなビートとズブズブな重低音がひたすら延々と続く催眠的なジャンルなのだが、このGrayscaleレーベルのアルバムは一条の美しさが煌めいていてオレはちょっと気に入っている。
Surrealismus / Sraunus
ダブテクノ・アルバムはどれも似たような音に聴こえるものだが、このSraunusのアルバム『Surrealismus』は静謐さの中にも時折美しい音の輝きが響き、あたかも内宇宙に深く潜航し旅を続けているかのような密やかな喜びを感じさせてくれる。
Echo Train / Extractor
Extractorはウクライナ出身の写真家でありミュージシャンである。この『Echo Train』はダブテクノと呼ばれる音の要素を全て持ち合わせ、ある意味非常にバランスの良いダブテクノ・アルバムだということができる。
Static Phase / Lotech/Hijack
カナダ出身のダブテクノ&アンビエント・プロデューサーLotech/Hijackのアルバムはゆったりとした音の中に静かな安らぎがあり、密やかな暖かさすら感じる。チルアウト・サウンドとして最高だろう。
Rope Of Sand / Das
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Dasによる2枚組ダブテクノ・アルバムは全10曲156分に渡る「Rope Of Sand」組曲。なんだか砂漠に立ち尽くして終わることなく風の音を聴かされているような気にさせられる。
Mood Compiled / Various
Greyscaleレーベルのお得な2枚組コンピレーション。20曲に渡りひたすらズブズブなダブテクノを堪能できる。
Mood Compiled 2 / Various
Greyscaleレーベルのお得な2枚組コンピレーション第2弾。こちらも20曲に渡りひたすらズブズブなダブテクノを堪能できる。