ピザを自作しようと思ったのだ
常日頃ピザ好きと知られ、かつてはオレと言えばピザ、ピザと言えばオレ、歩く姿はピザッ腹、とまで周知されていたオレではあるが、殆どは宅配ピザであり、自作と言うとピザクラストを買ってきてあれこれトッピングして焼く程度しかしたことが無かった。
そんなオレではあったが、遂に意を決し、「粉から練ってピザを作ってやろうじゃないか」と思い立ったのである。とかく男は老年に入ると蕎麦を打ったり盆栽を始めたりハーレーを乗り回し始めたりという通説があるが、オレの場合は「ピザ自作」ということになるのであろうか。
とはいえ料理の知識も腕もたいした事のないオレには「粉から練る」というのはちょいと敷居が高い。そもそも駄々と屁理屈をこねるのは得意だが粉をこねるのは未体験なのである。
しかしそんなオレにうってつけのアイテムがあったのだ。「フライパンでつくれるピッツァミックス」。昭和産業の製品である。なんでも20分で作れるという触れ込みだ。おお。オレのような粗忽者にぴったりではないか。要するにあれやこれやの粉を調合し練って何時間か寝かせる、という工程が省かれるのである。
という訳で今回はこの「フライパンでつくれるピッツァミックス」によるピザ作成の過程をブログにしたためようという訳である。だから「いやウチは強力粉薄力粉イースト調合から作ってますが何か?」 という方には片腹痛い記事となるが、そこは生暖かく見てあげればいいと思う訳なのである。では行ってみよう!
1回目。まずはピザ・マルゲリータを作る。
さてなにしろ初心者なので、最初は簡単なピザ・マルゲリータから行こうと思う。バジルの葉っぱが乗っかっただけという貧乏くさいシンプルなピザである。用意したのはピッツァミックスとピザソース、そしてシュレッダーチーズ。あとバジル。
まず、ピッツァミックスの袋裏に記されたレシピ通りに生地を作る。これは粉1袋200gに対し水100ml、オリーブオイル15gということになっている。これをクッキングスケールできちんと計り混ぜ合わせる。「料理は科学」というのはオレの相方の座右の銘だが、最初はレシピにある分量をきっちり守ることが重要である。
これを2分間こねる。最初は粉っぽかったものが、あーら不思議、だんだん粘土のような柔らかな弾性がある生地に変わってくる。手にも引っ付かない。そしてこれを2等分しラップをかけて5分間寝かせる。5分でいいのである。
寝かせた生地をフライパンに乗せ、手で薄く(2㎜ぐらい)延ばし、フォークで10か所穴を開ける。
中火で約3~5分焼いた後裏返して火を止める。
これにピザソース、シュレッダーチーズ、バジルを乗せ、蓋をして中火で3~5分焼く。ピザ・マルゲリータは本来モッツァレラチーズを使用するらしいのだが初心者にはこの程度で許してほしい。
完成!ピザカッターで8等分に切って出来上がりだ!(実はピザカッターを持っているのである。昔宅配ピザの景品に付いてきたのだ)
果たしてそのお味は!?「モグモグ……うーん……うーん?」
うーむ。出来上がりは良かったし、決して不味いものでもなかったのだが、かといって飛び切り美味いということもない。例えるなら「冷凍ピザ」の味。これだけ手間を掛けたのに冷凍ピザの味ってどういうことよ!?
実は敗因があって、まず生地を焼く時にレシピを間違えて両面3分ぐらい焼いちゃったこと、それとピザソースが一袋100g入っているのだが、これを1枚に全部使ってしまい、それの量が多過ぎて酸っぱくなり過ぎことが挙げられる。モッツァレラチーズではなかったことも敗因なのかもしれない。あと、実のところ、ピザ・マルゲリータがそんなに好きではなかったことも要因だろう(じゃあ作るなよ!?)。
というわけで「自作ピザ第1号」は満足のいく結果とならなかった。しかしこれで諦めるオレではないのだ。この失敗を教訓に、さらなる丹念を重ね、次なる成功へと繋げようではないか!?(超ポジティヴシンキン!)
2回目。ミックス・ピザを作る。
こうして次の日、果敢にもオレは第2回目の自作ピザ制作に取り掛かったのである。要するに2日間ピザだ!
今回製作するのは「ミックス・ピザ」である。あれこれいろんなものがミックスしてトッピングされた、ピザの至宝、ピザの醍醐味、ピザの王侯貴族、ミックス・ピザである。今回トッピングとして用意したのは、ベーコン、ブラック・オリーブ、マッシュルーム、茄子、玉ねぎ。ピザにトッピングされるべき具材の中でもベーシック中のベーシック、王道中の王道、まさにトッピングのオールスターズ、天にも地にも恥じる事のない威風堂々たるメンツではないか。
工程はほぼ前回と同じ。失敗したと思しき生地の焼き上げを改正し、ピザソースは半分のみ使う。トッピングは多過ぎると収拾がつかなくなるので、茄子はピザ2枚に対し1本、玉ねぎは12分の1個程度を使う。さらに今回は、フライパンで生地を焼きトッピングした後はグリルとオーブンレンジそれぞれで焼き上げてみることにした。
まずは焼いた生地にトマトソースとシュレッダーチーズを乗せる。ううむこれだけでも美味そうではないか。
さらにそこにトッピングを投入!トッピング具材のうちベーコンと茄子と玉ねぎはあらかじめ火を通しておいた。どうだオレのこの芸の細かさは!
そして焼き上がり!おお!おお!こんがり香ばしく焼けた至高のミックス・ピザ!ピザカッターで切って完成だ!
そして!ピザといえばビール!そしてタバスコ!ピザぱくぱく!ビールごきゅごきゅ!うほほ~い!美味いのう!美味いのう!至福じゃのう!至福じゃのう!
見て見てチーズのこの糸引き加減!もう最ッ高じゃないっすか!まさに最の高!(思考停止して単に同じことを言っている)
……という訳でオレの「ピザ自作❤ラブラブ❤大作戦!」は大成功の裡に終わった。 しかしこれで満足するオレではない。やはり既成のピザソースは味が濃すぎるし、シュレッダーチーズにしてもコクが足りない。生地だってきちんと配合されたものと比べるならモチモチ感がない。トッピングのセレクトにしてもまだ考慮の余地があるだろう。実のところ、宅配ピザの味にすら届いていないということであり、いわんやナポリのピザとでは月とすっぽん、クジラとイワシ、雪と墨ぐらい雲泥万里の違いである。
とはいえ、今回の挑戦を足掛かりに、また新たな挑戦を繰り返せばいいだけではないか。そしていつの日にか、日本一のピザ職人となり、代官山あたりに「ピザ皇帝」とかいうインチキ臭い店を出し、さらに本場ナポリに乗り込んで、イタメシにうるさいイタリア人どもをギャフンと言わせ街中に「ヴォーノ!」の歓声を鳴り響かせるのだ。
……ってスイマセン大言壮語が過ぎました許して下さいボク思いあがってました。そもそもそんなこと思ってないし!強力粉薄力粉イースト配合という恐るべき難関を通ろうというつもりさえない!だいたいでいいんだ!だいたいで!なにしろオレだから!
という訳でピザ自作エントリ、一応の終幕!