暗黒の海底洞窟で人喰い鮫に追い掛け回される!?/映画『海底47m 古代マヤの死の迷宮』

海底47m 古代マヤの死の迷宮 (監督:ヨハネス・ロバーツ 2019年イギリス・アメリカ映画)

f:id:globalhead:20200724184955j:plain

4人の女子高生がマヤ文明遺跡の眠るという海底洞窟にダイビングしたら人喰い鮫が出てきてサア大変!入り口は崩れてしまい迷宮となった海底遺跡を4人は逃げ惑う!闇に包まれた海底遺跡、大口開けて迫り来る人喰い鮫、残り少ない酸素量、果たして女子高生御一行様は生きて陸地を拝めるのか!?鮫パニック映画『海底47m 古代マヤの死の迷宮』の始まり始まり~~ッ!!

はい、鮫映画でございます。 世に溢れる鮫映画はピンからキリまでありますが、オレ自身はあんまり得意ではありません。なぜなら怖いからです。しかし今作、邦題にある「古代マヤの死の迷宮」ってェのに惹かれるじゃありませんか。鮫が襲ってくるだけじゃなくて「死の迷宮」なんですよ?鮫映画ジャンルに『ディセント』や『サンクタム』みたいな洞窟ホラー・サスペンスが加味されるという訳です。これは新しいかな?と思い観に行く事にしました。

物語の舞台となる「マヤ文明遺跡の眠るという海底洞窟」ってのは実は海に近い内陸部にありまして、鬱蒼と茂るジャングルの中に水に満たされた大穴が開いており、そこが入り口となるんですよ。そこから水中に入ると洞窟になっており、その先に遺跡がある。そして海底洞窟はどこかで海と繋がっているようなんですな。ここに女子高生たちがこっそり訪れてサマーバケーションを兼ね海底洞窟探検を開始するんですが、今回このようなオソロシイ出来事に発展したのには幾つかの「迂闊ポイント」があるんですな。

まず最初に、主人公が友人たちに「洞窟潜水は危険だから止めた方がいいよ?」と忠告したにも関わらず誰も聞かない。ここがまず「迂闊ポイント1」ですな。次に、「遺跡をさっと見て帰る」筈だったのに、一人の女子が水中で見つけた何かを追い掛けてしまう。ここで「迂闊ポイント2」。それは小魚だったんですが、驚いた女子は遺跡を倒して入り口を塞いでしまう羽目となる。これが「迂闊ポイント3」となります。これらの「迂闊ポイント」が重なり海底洞窟に閉じ込められた女子高生たちは最悪の事態、即ち人喰い鮫との遭遇を果たしてしまうという訳なんです。

いちいち「迂闊ポイント」なんて書いたのは、オレは「登場人物が迂闊さによって危機に至る」というお話があんまり好きじゃないからなんですよ。なんかこう、「要するにお前らがバカでドン臭いからこんな目に遭うんだろ」と思えてイラッとするんですね。登場人物が女子高生だから仕方ないかもしれませんが、パニックに至って全員ワアワアキャアキャア喚きまくるのにも若干イラッとしましたね。それとこの映画、「音楽を大音量で聴いていたので危機を予測できなかった」というシーンが二つもあって、それもイラッときましたよ。

ただし導入部のこういった「わざとらしい迂闊さ」をやり過ごせば、その後は割と楽しめる鮫映画となっています。そもそもあんな閉環境の海底洞窟で、たいした食い物もなさそうなのに、なんであんなデッカイ鮫が成長してるんだ?と思わないことも無いですが、そういう細かいことは忘れましょう!やはりこの作品のキモは「出口無しの暗黒の海底洞窟で、酸素も尽きかけてるのに怪物に追い掛け回される!」という設定にあるわけで、その辺りのサスペンスをとことん味わえればよろしいんではないかと。前半部は鮫との追いかけっこばかり続いて若干暇なんですが、中盤からどんどん飛ばしてきてクライマックスまでいい具合に盛り上げてましたね。

興味深かったのは主人公であるミア(ソフィー・ネリッセ)がもともと気の弱そうないじめられっ子で、こういった物語の主役にありそうなサバイバルの意志満々なキャラじゃないって部分ですかね。そういった女子が危機を乗り越えて成長する、という事を描きたかったのかもしれませんが、あまり上手く生かせていなかったように思います。冒頭ではスクールカーストとして憎たらしいいじめっ子が登場しますが、この辺のエピソードがきちんと回収しきれていないんですよ。最後にこのいじめっ子がxxされなきゃダメだろ。

また、物語は「親同士の再婚で姉妹になった二人」が中心となっており、それがドラマを盛り上げた反面、足も引っ張ていたということですかね。誰が生き残るのかだいたい想像付いちゃうじゃないですか。それと観終った後にあれこれ調べて知ったのですが、この作品実は2017年製作の『海底47メートル』という鮫ホラーの続編だったんですね。また、ジェイミー・フォックスの娘であるコリーヌ・フォックスと、シルベスター・スタローンの娘のシスティーン・スタローンが出演しているのもちょっと見所かな。ゴツイ親父と違って素敵な女優さんたちでしたよ。

www.youtube.com

海底47m [Blu-ray]

海底47m [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/10/05
  • メディア: Blu-ray