デヴィッド・リーンにハマってしまった【デヴィッド・リーン特集:序章】

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ついこの間まで家で積みDVDばかり消化していた。見栄を張って買ったはいいがまるで観ていなかった名作系の映画ばかり観ていたのである。その時に観た映画はこちらのエントリで紹介した。

とはいえ、観ていない積みDVDはまだまだ残っていて、「いやもうそろそろ観念してこれも観た方がいいんじゃ……」とDVDジャケットとしばし睨めっこした作品があった。それは映画史に燦然と輝くデヴィッド・リーン監督作品『アラビアのロレンス』、さらに『ドクトル・ジバコ』であった。『アラビア~』にしろ『ドクトル~』にしろ、冒頭をチョイと観て「おお、重厚だ、確かにこりゃ名作だ」と確認はしたのだが、なにしろ冒頭チョイのままずっと棚に仕舞われていたのである。だってさあ……長いんだもん……そして雄大な自然描写がさあ……ちょっとダルくなってくるんだもん……。

とかなんとかグズグズ言いつつ意を決して最後まで鑑賞したところ、これが、もう、半端なく面白かった。掛け値なく、これこそ名作だ、と思った。同時に、オレは実は、こんな映画をずっと観たかったんじゃないのか、オレが映画に求めていたのは、本当はこれだったんじゃないのか、とすら思った(熱くなりすぎ)。思い込みの激しいオレはすぐさま他のデヴィッド・リーン監督作のDVDやらブルーレイを買い揃え、いまやデヴィッド・リーン映画漬けである。

ところでデヴィッド・リーン作品に目覚めちゃったオレではあるが、これら過去の名作だけが真の映画だと言いたいわけではない。これら50~60年代に作られた映画の、そのテンポや話法やフィルムの質感が、子供の頃食い入るようにして観た「〇〇映画劇場」みたいなTVの映画番組を思い起こさせて、和むものを感じるということなのだ。ある意味年寄りの郷愁が混じっているのだ。だから若い人は過去の名作になんか拘らず、もっと現代的でビビッドな映画、それに限らずなにしろ自分の観たい映画を観ればいいんだと思う。「〇〇〇を観てないの!?」とか言う連中は単なるマウント廚だから当然全無視だ。

ちょっと脱線したが、明日から5日に渡ってグダグダとデヴィッド・リーン作品全7作を紹介してみようかと思う。なにしろ世界的巨匠による有名作品ばかりなので、オレごときが今更何か付け加えることも無いのだが、ひとつ気付いたのは、デヴィッド・リーンの監督作というのは、どれも「異文化とのコミュニケーション」を描こうとしたものだということだった。その辺も絡め、お暇な方はお付き合いください。