ヒッチコック・ブルーレイBOXでヒッチコック祭り!

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ヒッチコック映画を観ていなかった

一年に1000本を超える映画を鑑賞し、これまで観た映画は数万本、この世に知らない映画など存在しないと豪語するシネフィル中のシネフィルであるオレ様であるが、なぜかヒッチコック作品だけはきちんと観ていなかったのである。

……すいません、「ヒッチコック作品をきちんと観ていない」以外は全て全くの嘘八百です……。

仕切り直しますが、なにしろヒッチコック作品ってきちんと観ていなかったんですよ。『サイコ』とか『鳥』とか映画史に残るような傑作名作を数々ものにしている天才監督だということはなんとなく知っているんですが、活躍していた年代がイイ年したオッサンであるオレよりもまだ微妙に古くて、なんだか観る機会を逃してたんですね。あと、ヒッチコックを勝手に「ミステリ系の監督」と思い込んでいて、ミステリの苦手なオレはあんまり興味を感じなかったというのもあったかもしれない。

でもねえ、いつか観よう、とは思ってたんですよ。それは有名監督の作品をちゃんと体験したいということだけではなくて、ヒッチコック作品をきちんと観とけば、ブログの文章に「ふうむ今回観たこの映画のこの辺とかこの辺なんかはヒッチコックの影響がみられますねえ」なーんて知った口きける、書ける、見栄を張れる、という限りなくヨコシマな気持ちがあったからなんですよね!

この「引き合いに出して見栄を張りたい」という有名監督にもう一人、ジャン=リュック・ゴダールがいますね。やっぱねえ、一回言って(書いて)みたいじゃないですかあ、「ふうむ今回観たこの映画はゴダールの影響を多分に受けているという気付きがワタシにはありましたねえ」なーんて!「ここでちょっとゴダール語っちゃおうかなあ……」とかなんかカッコイイ感じしますしね!まー実際そんなこと言ってるヤツはウルセエ気取ってんじゃねえフランスパン喉に詰まらせて一生咽こんでろや!って感じですけどね!でも実の所ゴダールは観る気がしないのは何作か観たんだけど全然イミが分かんなかったからデス……。

とまあそんなとてもイヤらしくヨコシマな画策を心の奥に暗くドロドロと滾らせつつ、今回やっと重い腰を上げ、懸案であるヒッチコック作品視聴に取り掛かろうと思ったわけなんであります。実際の所、ヒッチコック作品は既にコピーライトフリーになっており、10枚組1750円とか20枚組3500円なんてDVDボックスもあることはあるんですが、これ画質が相当酷いらしく、どっしようかなあ……と思ってた所、意外と安価でブルーレイボックスが購入できることを知り、じゃあそっちで!ということでエイヤアとばかり購入してみたんですね。

今回購入したのブルーレイボックスは2つ、『Alfred Hitchcock The Masterpiece Collection』(13枚組)と『Alfred Hitchcock Collection』(3枚組)。どちらも輸入盤ですが日本語字幕・日本語吹き替えアリで、映像特典ももちろん日本語アリです。ただし吹き替えはTV放送時のものを使っている作品もあり、放送時にカットされた場面は字幕になっちゃったりします(『北北西に針路をとれ』がそうでしたが他の作品もそうなのか違うのかは全部確認していません)。

ではその2つのブルーレイボックス収録タイトルとだいたいのお値段を紹介しましょう。

Alfred Hitchcock The Masterpiece Collection

Alfred Hitchcock The Masterpiece Collection

ブルーレイ13枚組 ¥5698。(※購入当時の価格)

[収録作品]

  • 逃走迷路 (Saboteur/1942)
  • 疑惑の影(Shadow of a Doubt/1943)
  • ロープ (Rope/1948)
  • 裏窓 (Rear Window/1954)
  • ハリーの災難 (The Trouble with Harry/1955)
  • 知りすぎていた男 (The Man Who Knew Too Much/1956)
  • めまい (Vertigo/1958)
  • サイコ (Psycho/1960)
  • 鳥 (The Birds/1963)
  • マーニー (Marnie/1964)
  • 引き裂かれたカーテン (Torn Curtain/1966)
  • フレンジー (Frenzy/1972)
  • ファミリー・プロット (Family Plot/1976)

Alfred Hitchcock Collection

Alfred Hitchcock Collection

ブルーレイ3枚組 ¥2116。(※購入当時の価格) 

[収録作品]

※なんと『ダイヤルMを廻せ!』は3D作品です。オレは3D再生システムを持ってないので通常映像しか観られませんが、3Dを観られる環境の方は「3Dのヒッチコック」を一度体験してみるのもいいかもしれません。

■ブルーレイ17枚で¥7814!

このボックスセット2つを合わせた値段が¥5698+¥2116=¥7814。ブルーレイのトータル枚数17枚でこの価格は安くないっすか!?1枚当たり¥460ですよ!?しかもヒッチコックの傑作名作をほぼ網羅してるのではないかと思います。

他にもヒッチコックのボックスセットはあれこれ出ていますが、ブルーレイに限って言えば1番安価で揃えられるのはこの組み合わせなんじゃないでしょうか。これでも揃わないヒッチコック作品はあとはバラ買いするしかないんですが。う~んあとは『レベッカ』と『バルカン超特急』あたりが欲しいかもなあ。 

レベッカ [DVD]

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バルカン超特急 【淀川長治解説映像付き】 [DVD]

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 ■何作か観た感想などを。

まあなにしろまだ全部観ていないんですが、何作か観て感じたことを。ヒッチコックの映画術がどうとかブルーレイ化された映像と音楽の良し悪しということ以前に、「この時代の映画って、意外とイイ!」ってことをまず感じましたね。

それはヒッチコックが映画を撮っていた時代の、イギリスなりアメリカなりの、街の様子や家の作り、室内の調度、人々の着る洋服やヘアスタイルが、「ああ、これはオレが子供の頃に慣れ親しんでいた、古き善き外国映画の薫りじゃないか」と思えて仕方なかったんですね。

それともう一つ、強烈に心ときめいたのは、「あの当時の綺羅星の如き映画スター」と、くっきり綺麗な映像でもう一度再会できた、という部分ですね。なにしろオレ、ヒッチコック映画全然知らなかったので、ショーン・コネリーポール・ニューマンが出演している作品があったのにびっくりしました。ジェームズ・スチュワートはオレには馴染の薄い俳優でしたが、これも今観ても「往年の映画スター」の貫録が十分漂っていて頼もしいんですよね。『サイコ』のアンソニー・ホプキンスは、「これ、今でも十分通用するイケメン俳優じゃないか……」と惚れ惚れと見てしまいました。

それと、女優さんが、びっくりするほど美しい!グレース・ケリードリス・デイジュリー・アンドリュース、それとヒッチコック映画で初めて知ったティッピ・ヘドレン、これもオレが洋画見始めるちょっと前の時代の女優さんばかりなのでちゃんと映画で見たことがあるのはジュリー・アンドリュースぐらいなもんなんですが、それでもやはり「古き善き外国映画の薫り」がして堪らない女優さんばかりなんですよ。そればかりではなくヒッチコック映画は端役の女優さんまで美しい!

まだ数作しか観ていませんが、すっかりヒッチコック作品の虜になったのは確か。「今日はどれを観ようか」なんて考えながらブルーレイボックスをひっくり返してみるのもまた楽しい。そして全作観た暁には「ふうむ今回観たこの映画のこの辺やこの辺当たりはヒッチコック風ですねえ」と思いっきり見栄貼ってブログに書く野望を決して忘れていないオレでありました!(……いや、こっぱずかしいんでヤラネエっす)