アクシャイ・クマール主演の法廷ドラマ『Jolly LL.B 2』

■Jolly LL.B 2 (監督:スバーシュ・カプール 2017年インド映画) 

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落ちこぼれ弁護士ジョリーが起死回生の法廷闘争を繰り広げるドラマです。2013年製作の法廷コメディ『Jolly LL.B』の続編なんだそうですが、この1作目は観てません。ちなみに「LL.B」は 「法学士」の意味らしい。

インド映画は結構法廷ドラマや法廷シーンを持ち込んだ作品が多くて、「流石ダルマの国だよな」と思わされます。いえ、単なる思い付きです。ただ問題は専門用語が多くて、英語のダメなオレは英語字幕追っかけるのに苦労させられる事です。今作なんか台詞のたびにいちいちポーズして確かめてたので観終るのに1週間掛かった……。とはいえそんな苦労をしても先が気になる優れたドラマだったことは間違いありません。

物語はダメダメ弁護士ジョリー(アクシャイ・クマール)が警官に殺された夫の事件についての弁護士を探していた女性からお金を騙し取っちゃう所から始まります。事件究明の望みを絶たれた女性は自殺してしまい、 ジョリーは法曹会からも追放されかかります。良心の呵責に押し潰されたジョリーは事件の真相究明に乗り出しますが、そこには官憲たちの闇と辣腕弁護士プラモード(アヌ・カプール)が大きく立ちはだかるのです。

コメディタッチで始まる物語ですが、それは初番だけで後はどんどんシリアスな展開が続いていきます。やはり見所は法廷シーンで、青二才のジョリーが口八丁手八丁の弁護士プラモードに徹底的に追い詰められ叩き潰されながら、それでも僅かな糸口から真実を見つけ出そうと地を這いずり回るかのように尽力する様がとにかく熱いんです。それと併せ堕落した警官たちが証拠を握り潰しあまつさえジョリーの命さえ狙ってきます。文字通り命懸けの裁判にジョリーは勝つことができるのか、と始終ハラハラさせらながら物語を見守ることになるんですね。

もうひとつの見所は今件を取り仕切る裁判長トリパティー判事(ソウラーブ・シュクラー)の非常にユニークなキャラクターでしょう。お茶目でひょうきんでとてもユーモラスな判事ですが、時々「やる気あるんかいな」と呆れさせられることもしばしば。しかしそんな一見ゆる~い態度を見せながら、ここぞという時にはピシッと鋭い判断を覗かせるんです。裁判の仕方も実に破天荒で、後半には「今までこんな法廷ドラマがあっただろうか!?(あんまり観て無いけど)」と思わせるびっくりさせられる場面まで飛び出します。

こんな具合に、経験足らずを意気で乗り切ろうとするジョリー、海千山千の狒々爺プラモード、ハチャメチャ判事トリパティーといった、千差万別のキャラクターが法廷でぶつかり合い、その中から少しずつ真実の光が見えて来る様がとてもエキサイティングな、非常に優れたドラマでした。 

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