本日開催!インド映画祭IFFJ上映作品はこんな監督が撮っている!

東京ではいよいよ本日オープニングイベントの開催される「インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン IFFJ2016」ですが、皆さんはもうどの作品を観に行くか決められたでしょうか?このブログでも今週頭から単発映画レヴュー、IFFJ紹介、女優紹介、男優紹介と続けてまいりましたが、今回でIFFJ紹介の最終回とすることにいたします。
しかし、最後は何の記事にすっかなあ?と思ったんですけどね。まあ、映画の予告編や歌と踊りのシーンのYouTube動画を並べてもよかったんですが、そういうのはオフィシャルHPや他の誰かがやってるだろうし、なんかもうネタがない。しかし男優や女優の写真を並べるのは楽しかったから、そうだ、今度は監督の写真を並べてみよう!と思ったわけなんですな。思ったわけではありますが……それって誰得?
いや、インド人限定のフケ専の方だってこの世界にいるかもしれないじゃないですか!?黒々としてテカテカとしたインドのオッサン、しかもただのオッサンじゃなくて名だたるインド人監督の写真がたっぷり拝める!これはひょっとして今まで前人未到のインド映画記事になるかもしれない!?いやまあ相当ニッチだけどね……。
というわけで前人未到というよりは単なる企画倒れのような気もしますが、一応ザックリと代表作をまとめておきましたので、作品を観て気にいったらその監督の他の作品を観てみる、なんていうのもいかがでしょう。ただそれだけではつまらないので単なる見た目だけから【オヤジ評価】として「オヤジ度」「油ギッシュ度」「侘び寂び度」を★5点満点評価で付けてみたいと思います。いや〜、ホントに誰得ですね……。

■『ボンベイ・ベルベット』監督:アヌラーグ・カシュヤプ


アヌラーグ・カシュヤプ(Anurag Kashyap)1972年9月10日ゴラクプール生まれ(44歳)。
主な監督作:『Black Friday』 (2007)、『Dev.D』 (2009)、『Gangs of Wasseypur』 (2012)、『Ugly』 (2014)、『Raman Raghav 2.0』 (2016)
【オヤジ評価】出ました。精力の絶倫さをうかがわせる黒々として油ギッシュな肌、じっとりとねめつけるような目つき、訳知り顔で自信たっぷりな表情。アヌラーグ・カシュヤプはこれこそがオヤジと太鼓判を押したくなるようなオヤジの中のオヤジの顔つきをしております。ミスター・オヤジ、オヤジ・オブ・ザ・イヤー、キング・オブ・オヤジ、様々な名で呼びたくなるような極上のオヤジぶりです!
オヤジ度 ★★★★★
油ギッシュ度 ★★★★★
侘び寂び度 ★

■『プレーム兄貴、お城へ行く』監督:スーラジ・バルジャーティヤ


スーラジ・バルジャーティヤ(Sooraj Barjatya)1964年2月22日ボンベイ生まれ(52歳)
主な監督作:『Maine Pyar Kiya』(1989)、『Hum Aapke Hain Koun..!』(1994)
【オヤジ評価】いい具合のハゲ、いい具合のヒゲ。肌はツヤツヤととしてなかなかに健康そうなオヤジです。きっと性格もまったりと穏やかな方なのではないでしょうか。スーラジ・バルジャーティヤ監督は非常に「オヤジ」という概念の中庸を行く「いい具合のオヤジ」ということができるでしょう。
オヤジ度 ★★★★
油ギッシュ度 ★★
侘び寂び度 ★★★

■『ファン』監督:マニーシュ・シャルマー


マニーシュ・シャルマー(Maneesh Sharma)
主な監督作:『Shuddh Desi Romance』 (2013)、『Ladies vs. Ricky Bahl』(2011)、『Band Baaja Baaraat』(2010)
【オヤジ評価】ちょっと小太りで十分黒々としていますがオヤジとしてはまだまだ若年といった顔つきです。しかしじわじわと沁み出た顔の脂は将来大いなるオヤジとして花開く予感を感じさせます。ただ生活習慣病をちょっと気にしていただけたらとも思います。
オヤジ度 ★★★
油ギッシュ度 ★★★★
侘び寂び度 ★

■『ニールジャー』監督:ラーム・マドゥワーニー


ラーム・マドゥワーニー (Ram Madhvani)
アルターフ 復讐の名のもとに』(2000)、『Taare Zameen Par』(2007)の第2助監督等を務めながら『Let's Talk』(2002)で監督デビュー。『ニールジャー』は監督2作目。
【オヤジ評価】知的でスマートな印象を持つオヤジ、ラーム・マドゥワーニー。"頼もしさ"といった点でオヤジに要求されるもう一つの面がクリアされていると思います。しかし知的である反面、理屈っぽく頑固な側面もある、と見ることもできないでしょうか。酒飲むと説教し始めるタイプのオヤジではないかとオレは睨んでいます。
オヤジ度 ★★★★★
油ギッシュ度 ★
侘び寂び度 ★★★

■『カプール家の家族写真』監督:シャクン・バトラ


シャクン・バトラ(Shakun Batra)1983年1月1日生まれ(33歳)。
『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』(2011)、『Rock On!!』(2008)の助監督を務めたあと『Ek Main Aur Ekk Tu』(2012)で監督デビュー。『カプール家の家族写真』は監督2作目。
【オヤジ評価】う〜ん惜しい。若干33歳のシャクン・バトラは年齢にせよ見た目にせよオヤジと呼ぶにはまだまだ時期尚早です。非常に若々しく映画『カプール家の家族写真』を観てもその才能の高さは十分うかがえる優れた監督だと思いますが、こと「オヤジ度」に限定して評価するなら残念ながらまだまだくちばしの青いひよっこと言わざるを得ません。
オヤジ度 ★
油ギッシュ度 ★
侘び寂び度 ★★

■『ハウスフル 3』監督:サージド-ファルハド


サージド-ファルハド(Sajid-Farhad)はSajid Samji(1967年8月20日ボンベイ生まれ(49歳))とFarhad Samji (1974年5月5日ボンベイ生まれ(42歳))の監督コンビ。作詞家としてスタートし『Singham』(2011)、『Bol Bachchan』(2012)、『Chennai Express』(2013)などの脚本家を経て『Entertainment』(2014)で監督デビュー。『ハウスフル 3』は監督2作目。
【オヤジ評価】黒いです。ギラギラしています。監督コンビ、サージド-ファルハドは二人が二人ともじっとりと脂の沁み出たオヤジ顔をしています。しかしそんなオヤジ顔である反面、いたずらっ子のような笑顔を浮かべているところに稚気を感じさせます。サージド-ファルハドはオヤジの持つもうひとつの側面、「子供っぽさの残るオヤジ」の代表格なのではないかと思います。でもそんなに可愛くないけどね!
オヤジ度 ★★★
油ギッシュ度 ★★★★★
侘び寂び度 ★

■『エアリフト 〜緊急空輸〜』監督:ラージャー・クリシュナ・メーノーン


ラージャー・クリシュナ・メーノーン(Raja Krishna Menon)
主な監督作:『Bas Yun Hi』 (2003)、『Barah Aana』 (2009)
【オヤジ評価】渋いですねえ。落ち着きとどこか枯れた雰囲気を持つラージャー・クリシュナ・メーノーン監督はまるでヨガの導師のような風格すら漂わせています。と同時にインド雑貨の店ティラキタの店長さんに似てないこともありません。
オヤジ度 ★★★
油ギッシュ度 ★
侘び寂び度 ★★★★

■『キ&カ 〜彼女と彼〜』監督:R.バールキー


R.バールキー(R. Balki)バンガロール生まれ。
主な監督作:『Cheeni Kum』(2007)、『Paa』(2009)、『Shamitabh』(2015)。『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)のプロデューサーでもある。
【オヤジ評価】うおおこりゃまた黒くてデカくて固そうなオヤジですね。さらにモワモワのお髭が大いに男臭さを演出しております。とはいえ、第一印象は「熊さん」ということになるのではないでしょうか。「テディベア」と言うにはかなりとうが立ってはおりますが、一緒にいたら絶妙のモフモフ感を味わえるかもしれません。バールキー監督作『キ&カ 〜彼女と彼〜』もモフモフの如き安心感と愛らしさを感じさせる映画となっております。……お!やっと映画紹介ブログっぽくまとまった!
オヤジ度 ★★★★★
油ギッシュ度 ★★★★★
侘び寂び度 ★★

■『アリーガルの夜明け』監督:ハンサル・メータ


ハンサル・メータ(Hansal Mehta)ムンバイ生まれ。
主な監督作:『Dil Pe Mat Le Yaar!!』 (2000)、『Dus Kahaniyaan』 (2007) 、『Dus Kahaniyaan』 (2007) 、『Shahid』 (2013)
【オヤジ評価】社会派作品を得意とするハンサル・メータ監督、社会派だけあって常に社会に憂慮しているかのような厳しい目つきをしております。そういった厳しさは私生活にも及んで、きっと家庭でも亭主関白と頑固親父ぶりを発揮しているのではないかと想像してしまいます。でも酒飲ませると裸踊りしそうな両面性もあるかもしれません。
オヤジ度 ★★★★
油ギッシュ度 ★★
侘び寂び度 ★★★★

■『恐怖症』監督:パワン・クリパラニ


パワン・クリパラニ(Pavan Kirpalani)
主な監督作:『Ragini MMS』(2011)、『Darr @ the Mall』(2014)
【オヤジ評価】おお……これは多分にドヨ〜〜ン……としたオヤジですね。どことなく現実を見ていないかのような遠い目つき、ぼわんとした輪郭の体型、ホラー映画を得意とする作風、この方はきっとオタクに間違いありません(決めつけ)。しかしふと思ったんですがインドのオタクの皆さんというのはいったいどんなことをしているのでしょうか。やはりインド神話萌えとかなんでしょうか。
オヤジ度 ★★★
油ギッシュ度 ★★★★★
侘び寂び度 ★

■『ガッバル再び』監督:クリッシュ


クリッシュ(Krish)1978年11月10日生まれ(37歳)。
主な監督作:『Gamyam』(2008)、『Vedam』(2010)、『Vaanam』(2011)、『Krishnam Vande Jagadgurum』(2012)
【オヤジ評価】ハゲ、黒さ、荒れた肌などオヤジ成分は十分なのにもかかわらず、クリッシュ監督の"オヤジさ"にはどこか中途半端で煮え切らないものを感じます。しかしこれは監督が持つ"優しさ"ゆえの曖昧さの表れなのではないかと思います(根拠はない)。そして外側の世界よりもより内面へと向かおうとするアーティスティックな性格からも現れているのではないでしょうか(根拠はない)。
オヤジ度 ★★★★
油ギッシュ度 ★★★★★
侘び寂び度 ★

■『私が恋した泥棒』監督:サンディープ・レイ


サンディープ・レイ(Sandip Ray)1953年9月8日コルカタ生まれ(63歳)。『Phatik Chand』(1983)で監督デビュー。 ベンガル語映画界で活躍。インド映画の名匠サタジット・レイの息子としても知られる。
主な監督作:『Royal Bengal Rohosso』(2011)、『Jekhane Bhooter Bhoy』(2012)、『Chaar』(2014)
【オヤジ評価】老獪。サンディープ・レイ監督の姿から思い浮かべるのはそんな言葉です。睨みつけるような鋭い目つきからは長きに渡る人生から得た厳しい現実認識と芸術に対する求道的な態度をうかがわせてはいないでしょうか。そして相当の理屈っぽさと頑固さ、ことあれば相手を煙に巻く狒々爺ぶりさえ見え隠れします。おまけに鼻にマカデミアナッツを乗せることでそこに注意を引かせ、決して本質を気取らせない戦略的な頭脳も持っています。そんじょそこらのオヤジでは束になっても敵わない強力なオヤジ度を持った監督だと言えるでしょう。
オヤジ度 ★★★★★
油ギッシュ度 ★★
侘び寂び度 ★★★★★