■メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」[原題:That's What It's All About: The Journey of Prem Ratan Dhan Payo] (監督:ヴィディ・カースリーワール 2016年インド映画)
IFFJでドキュメンタリー『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』とインド映画ブロガー、ポポッポーさんのトークショー『ポポッポーのお気楽インド映画話』を観てきました。まずは『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』。
『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』は2015年にインドで公開され大ヒットを飛ばした映画『プレーム兄貴、お城へ行く(原題:Prem Ratan Dhan Payo)』のメイキングです。
物語は大雑把に言うと「ある理由から王子様と平民の男が入れ替わっちゃう!?」というもの。主演はインド映画界の大スター、サルマーン・カーンとソーナム・カプール。そして監督はスーラジ・バルジャーティヤ。煌びやかなインドの大宮殿とそこで繰り広げられる愛憎乱れる大スペクタクルが見所で、オレも大好きな映画です。
ちなみにこの『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』監督のヴィディ・カースリーワールは『プレーム兄貴、お城へ行く』監督のスーラジ・バルジャーティヤの姪御さんなんだとか。この方は実はLandmarc filmsのCEOで、今年のIFFJ公開作『幸せをつかむダイエット』のプロデューサーでもあるんです。
インド映画の製作現場は、インド映画DVDの特典などでたまに見かけますが、こうして字幕付きで1時間しっかり見せられるとなるとまた感慨もひとしおです。ましてや『プレーム兄貴、お城へ行く』ほどのビッグバジェット作品ともなると、非常に手間暇かけて作られており、驚かされることが大変多いんです。素晴らしい音楽、荘厳なセット、表現力豊かな俳優、心躍らせる物語、映画というものがどれほど総合芸術であるのかが伺い知れるというものです。そして、それらを作り上げる人々の映画がこの『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』というわけなのです。
併せて、サルマーン兄ィやソーナム・カプール様、そして監督スーラジ・バルジャーティヤのインタビュー・シーンなどを見るにつけ、「ああ、もう一度この映画観たい!」と思ってしまうこと請け合いです(しかし……Blu-ray持ってるんですがこないだ引っ越した時どこに仕舞ったのか分からない……)。サルマーン兄ィはいつものように頼もしいし、ソーナム・カプール様を映画館の大きな画面で観られるのは眼福この上ない!
そして、スーラジ監督が、なんだかとっても仕草の可愛いオヤジなんです!これ、2016年のIFFJ開催の時のオレの記事、『本日開催!インド映画祭IFFJ上映作品はこんな監督が撮っている! - メモリの藻屑 記憶領域のゴミ』におけるスーラジ監督の【オヤジ評価】にぴったり当てはまってるんですね!
■『プレーム兄貴、お城へ行く』監督:スーラジ・バルジャーティヤ
スーラジ・バルジャーティヤ(Sooraj Barjatya)1964年2月22日ボンベイ生まれ(52歳)
主な監督作:『Maine Pyar Kiya』(1989)、『Hum Aapke Hain Koun..!』(1994)
【オヤジ評価】いい具合のハゲ、いい具合のヒゲ。肌はツヤツヤととしてなかなかに健康そうなオヤジです。きっと性格もまったりと穏やかな方なのではないでしょうか。スーラジ・バルジャーティヤ監督は非常に「オヤジ」という概念の中庸を行く「いい具合のオヤジ」ということができるでしょう。
オヤジ度 ★★★★
油ギッシュ度 ★★
侘び寂び度 ★★★
どうですか。オレの人物評価の確かさは。
そしてもうひとつ興味深かったのは、スーラジ監督とサルマーン兄ィがかつてコラボしたインド映画の名作2作の映像が流れたことですね。その二つのタイトルは『Maine Pyar Kiya』と『Hum Aapke Hain Koun..!』。
この2作が優れた作品なのは言うまでもないことなのですが、なによりも、こんなインド映画のクラシック名作を、ほんの少しの時間とは言え、映画館の画面で見られたことがとっても嬉しかったんです!いや~、映画はやっぱり映画館で観るものですね……。
これ観て思ったんですが、今度IFFJ上映作に1作でいいからインド映画の古い名作映画を混ぜてくれないかなあ……それも大スター出演、歌と踊り満載をヤツを!(まあしかし古いインド映画って著作権の怪しいパクリが微妙に多くて難しいかもな……)
( ↓ IFFJのHPにも貼ってなかった 『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』のプロモを貼っときます!)
Thats What Its All About Promo | Landmarc Films | Sooraj R. Barjatya
■ ポポッポーさんのトークショー『ポポッポーのお気楽インド映画話』
『メイキング・オブ「プレーム兄貴、お城へ行く」』上映終了後にはインド映画ブログ『ポポッポーのお気楽インド映画』主催のポポッポーさんによるトークショーが開催されました。
このポポッポーさん、インド在住でインドで公開されたばかりの最新ボリウッド映画をガンガン紹介されている方で、毎回平易な文章で実に要点を得た的確な批評を書かれており、知識も豊富でオレもインド映画観始めの頃からとことん参考にさせていただいておりました。もうインド方面に足を向けて寝られないほどです!この方がいなかったらオレはインド映画に関する感想文なんか書いていなかったでしょう。
今回はスライドを交えながら「プレーム兄貴の話」「IFFJ公開作の紹介」「最新ボリウッド映画のトレンド」の3つを紹介されておりました。ポポッポーさんの話を聞きながらいちいち頷いていたオレはそんな自分の姿に「ハッ!?TVの公開収録でこんな全速力で頷いているオバサンがよくいる!?」と突然気付いてしまい一瞬固まってしまいました!
なにより面白かったのは「最近のボリウッド映画不振の理由」でした。年初めに公開された『ダンガル』と『バーフバリ2』が空前の大ヒットを飛ばしたばかりに、それを超えられるような作品が作れなくなってしまったというんですね。オレも実は「今年のボリウッド映画ってなんだかつまんないなあ」と思っていたんですが、スッキリ説明されて妙に腑に落ちてしまいました。それと、去年の実録モノに飽きて今年はローカルが舞台の映画やコメディが来る、という話も実に分かるなあ。オレも実録モノ、ホントに飽きてたもの。どちらにしろ、年末にかけてまた楽しい映画が公開されるといいですね!
そんなこんなでたっぷり充実したトークショーも終わり映画館ロビーに出たら、なんと主催者の方に紹介されてポポッポーさんとお話できる機会までありました!いやあ、こんな零細ブログでインチキ極まりないインド映画紹介しているオレとしては恐縮しまくりですよ!知ったこと書いてますがオレのインド映画の感想なんて殆ど思い付きと当て推量なんですから!もう申し訳なさすぎで穴があったら入りたいぐらいでしたよ!こんな見ず知らずのオレと温かく接して下さったポポッポーさん本当にありがとうございました!