■Copper Vale / Yearning Kru
イギリス生まれ、韓国・台湾在住、活動拠点は
サウジアラビア・イギリス・台湾、というユニークなプロフィールを持つプロデューサーYearning Kruの多分1stアルバム。内容的にはドローン、
アンビエント、ノイズ、サイケ、音響、ダブ、ゴシックといったあたりがグジャグジャと混じりあいつつ、環境音のようにズブズブと鳴り続けている、といったもの。決して暗さや攻撃性は無く、かといって明るくも穏やかでもない、まさに"そこにある音"としか言いようのない中域をキープし続けるサウンドに、オレはなにか自然の中を歩いているよな奇妙な落ち着きを感じるのだ。これは秀逸だと思う。好みもあるかと思うがお勧めしたい。
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■Lighthouse Stories / Low Jack
Low Jackは
中南米ホンジュラス生まれパリ在住のプロデューサーなのらしい。インダストリアル/ロウハウス界隈の方なのらしいが、3rdアルバムとなるこの『Lighthouse Stories』では引き攣ったように鳴らされる機械音にザラザラとした環境音、さらに呪術的な低速ヴォーカルとが絡み合い、実にグヂャグヂャとした
サウンドスケープを展開している。↑で紹介したYearning Kruもそうだが、このグヂャグヂャ感の心地よさはなんなんだろうな、「体内音テクノ」とでも勝手に名付けようかな。
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ケルンの名門レーベル
Kompaktを代表するアーティスト、
The Fieldの3年ぶり5枚目となるニュー・アルバム。オレは
The Fieldの1stに衝撃を受けたクチで、それは天界まで届くかと思うような延々と続くループにある。
The Fieldの基本はこの延々と続くループにあり、それは殆どどのアルバムにも共通し、それがハイかロウかという違いだけだ。そしてこの5作目もそれに変わりない。言ってしまえば金太郎飴のような同一サウンドなのだが、もうこれは独特の職人芸としか言いようがない。そんな中で今作は中域のあたりでループしているように聴こえる。
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■III (Deluxe Edition) / Moderat
Moderatは
ダブステップ/ヒップホップ/エレクトロをミクスチャーさせた音楽性を持つModeselektorとジャーマンテクノの
Apparatによるユニットでこのアルバムはその3枚目。メ
ロディアスなテクノ/ハウスチューンを基本にエモーショナルなヴォーカルが乗るといった実にポップな音を展開しており、非常に聴きやすいので結構誰にでも勧められるエレクトロニック・ミュージックかもしれないな。
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ペット・ショップ・ボーイズはテクノなんか聴き始める前から好きだったポップ・デュオなんだが、ここ最近の作品はどうもパッとしなくて「連中
ももう相当いい歳だしなー」と思いつつあまり聴かなくなってきたのは確か。しかしこの最新アルバム『Super』は『Yes』ぐらいの頃のP.S.B.の音が戻ってきたと思わせる様な出来の良いポップさで、昔を思い出しつつよく聴いている。特にシングル・カットされた「The Pop Kids」は彼らお得意の哀愁のディスコ・ポップで、いやーこれはハマるわあ。このEPには「
The Pop Kids - EP」と「
The Pop Kids (Remixes) - EP」がそれぞれあり、アルバム未収録曲とリミックス曲が収められているのでアルバムと一緒に購入すると吉。
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