最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他

■Outdoor Museum of Fractals/555hz / James Holden & Camilo Tirado/Luke Abbott

Outdoor Museum of Fractals / 555hz

Outdoor Museum of Fractals / 555hz

James Holden主催のレーベルBorder Communityからの新作は、James Holdenとタブラ奏者Camilo Tiradoとのコラボ曲「Outdoor Museum of Fractals」とBorder Communityの看板アーチストLuke Abbottの「555hz」の2曲が収録されたスプリット・アルバム。2曲とはいえ長さがハンパなくて、シングルというよりアルバム扱いだろう。「Outdoor〜」は46分56秒に渡りタブラをフィーチャーした極楽の旋律が延々ループするエクスペリメンタルなサウンド。一方「555hz」は32分55秒に渡りアブストラクトな旋律がループするが、これがなんとFrip & Enoの『No Pussyfooting』のエレクトロニカ・ヴァージョンと思わせるようなサウンドだ。今回のお勧め。 《試聴》

■Trotro / DJ Katapila

Trotro [未発表ボーナストラック2曲 (DLコード)+帯]

Trotro [未発表ボーナストラック2曲 (DLコード)+帯]

一聴して「なんだこのチープで変態的なアフリカン・サウンドは」と思いついつい購入。調べてみるとDJ Katapilaはガーナ出身のラッパーDJ(多分その辺のおっさん)らしい。ご当地訛りのアフリカン・チャントをもんの凄い安いリズムとアシッド・サウンドに載せ、スッカスカだが恐ろしくプリミティブなエレクトロ・グルーヴを展開しているのだ。安い安い言ってるがよく聴くとリズムの組み立て方はアフリカンらしい複雑さを持っており、そのパワフルさにはやはり引き込まれる。いわゆる突然変異的なキメラ・サウンドなのだろうが、ジュークを聴いた時と同じような衝撃を感じた。 《試聴》

■Best Of Dream Catalogue, 2814-2815 / V.A.


オレが今大変気に入っている謎のレーベルDream Catalogueのベスト・アルバム全20曲入り。例によって正体不明なオリエンタリズムに溢れていて、中文とも日本語ともつかないタイトルがつけられ、曲によっては海の底から聞こえてくるような日本の何かのドラマかアニメの台詞がサンプリングされているのが相変わらず奇妙だ。そしてその音はどれもたゆたうようなメランコリイと仄かな美しさを湛えているのだ。CD販売のみらしく、自分はBleepから通販した。 《試聴》

■Escapements / Beacon

Escapements

Escapements

NYの2人組Beaconの2ndフルアルバム。ベース・ミュージックを基本としているが、メランコリックでR&Bテイストの男性ヴォーカルがフィーチャーされ、映画的なメロディと透明感のあるサウンドがポップさを強調している。割と好き。 《試聴》

■Principe Del Norte / Prins Thomas

Principe Del Norte

Principe Del Norte

ノルウェーのコズミック・ディスコ・プロデューサー(凄い肩書だな)、Prins Thomasによる2枚組アンビエント/テクノ・アルバム。10分前後の曲が全9曲収められた組曲のような作品で、最初は静謐なアンビエントからじわじわと盛り上げてゆき、中盤からはビートが加わりどんどん躍動感溢れる構成になってゆく。 2枚目から聴いたほうがとっつきやすいかもしれない。これも悪くない。 《試聴》

■Animals / Not Waving

Animals

Animals

Not WavingはUKテクノ・デュオThe Wallsの片割れによるソロ・ユニット。ポスト・インダストリアル〜エレクトリック・ボディ・ミュージック(EBM)系列のピキピキ音がひしめくが、決して暗黒路線まっしぐらのキツい音ばかりではなく、意外とバラエティを持たせたアルバムになっている。 《試聴》

■Convenanza / Andrew Weatherall

Convenanza [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC494)

Convenanza [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC494)

UKアンダーグラウンド・テクノDJ界の裏番長ことAndrew Weatherallのニュー・アルバム。本人名義としては7年ぶり2作目になるのらしい。この間聴いたWeatherall参加のユニットThe Woodleigh Research Facilityのアルバムがテクノ/ハウス系だったのに比べ、こちらのアルバムはよりポストパンク/ロックな音をさせている。終始ダルそうなリズムで、そこにへなちょこなヴォーカルが入っているところなんかもホントWeatherallらしいなあ。 《試聴》

Hotel: Ambient (reissue) / Moby

Hotel Ambient

Hotel Ambient

2005年にリリースされたMoby2枚組アンビエント・アルバムのリイシュー。Mobyアンビエントやるとアブストラクトなものではなくセカンドサマーオブラブのゆったりとした楽園幻想があるな。 《試聴》

■Techno Trax 001 / DJ Emerson/DJ Van/Various

Techno Trax 001

Techno Trax 001

商業産業テクノ。作業用で聴くDJ MIXアルバム。なんの作業用かというと部屋でパソコン仕事(日記書き)している時に延々流すのである。それほど悪くない。《試聴》

■Minimal House Anthems / V.A.

Minimal House Anthems

Minimal House Anthems

商業産業ハウス。これも作業用で流しているDJ MIXアルバム。おバカなアルバムジャケットだがこれも悪くない。しかし思うがこの手のMIXモノって沢山のプロデユーサー名が入ってるけど、ホントは数人がいろんな変名使って作ってるだけじゃないのかな? 《試聴》

■We Prick You / Nine Inch Nails Ft David Bowie

We Prick You

We Prick You

ナイン・インチ・ネイルズがアルバム『アウトサイド』発表間もないデヴィッド・ボウイをフィーチャーして行った1995年Radio broadcastにおけるライブ録音。ナイン・インチ・ネイルズの曲のほうが多めかな? 《試聴》