■P2 (監督:フランク・カルフーン 2007年アメリカ映画)
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2008/12/03
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しかしこの変態さんのパンチがいまひとつ足りない。見た目があんまり変態ぽく無いのである。やはりこういう映画では、コギャルあたりに「キメえ」「ありえなくね?」と冷笑罵倒されるぐらいの強烈なスメルを醸し出すルックスじゃないと観客も乗ってこないんではないか。即ちこれでは「ああああこんなキモイ変態に拉致られるなんて最悪〜!」とか「おおおおサイテー野郎に美女が陵辱されるなんて昂奮するぜグヒヒ」とかいう興味を観客に想起させ難いんではないかと思う。やはりここは蛭子能収級のキモさを兼ね備えた男優でなければならなかったのではないか。…ってか蛭子さんだとコメディになっちゃうか…。
さらにこの変態さん、行動がなんとも抜けていて、主人公が逃げ出してもすぐ追うわけでもなく、それまでいたぶっていた死体の片付けとかしてんのね。で、暫く時間置いてから「どこいったんだ〜!?」とかやってるんだけど、これって変態さんが余裕ぶっこいてるわけじゃなくて、映画に動きを持たせる為、監禁→逃走→追跡のシチュエーションを作ろうとして、その理由付けに失敗しているだけのような気がしたな。こういうのも含めて全体的に展開の仕方がなんだか嘘っぽいというか無理があるのよ。
だいたいいくら地下駐車場とはいえ、外界と連絡が取れなくとも例えば非常ベル鳴らしたり、わざと火を出してスプリンクラーを作動させたりすれば警察や消防に繋がるだろうことは『ダイ・ハード』あたりでやってたことだし、あとレンタカー事務所に逃げ込んだ時は電話が駄目だったとしてもパソコンを使うという手もあったろうし、そんなこんなでなんとも詰めの甘い脚本だっていうのが露呈しちゃってるんだよなあ。そんな訳でちょっとヌル〜イホラー映画でありました。