バカでビンボだったから俺はいっぱい人殺ししちゃうんだぜ?〜映画『ハロウィン』

■ハロウィン (監督・製作・脚本 : ロブ・ゾンビ 2007年アメリカ映画)

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1978年に公開されたオリジナル『ハロウィン』は監督ジョン・カーペンター出世作と言われているらしいが、結構なカーペンター好きを自称しているオレなのにも拘らず、えーっと、観ておりません…。カーペンター映画はこれを含め『ダーク・スター』『要塞警察』の初期3作品だけ観ていないッス。スンマセン。罰として頭から蟹の足生やして台所裏をゴキブリと一緒にカサコソ蠢き回っときます。マジスンマセン。
さて今回の『ハロウィン』は監督ロブ・ゾンビによるリメイクなんだが、オレはこれまで『マーダー・ライドショー』、『デビルズ・リジェクト』と2本のロブ・ゾンビ映画を観ているけど、なんだか全然好きじゃないのよ。なーんて言うんですかねえ、作品それ自体は手堅く丁寧に作られ、ホラー映画への愛情も十分伝わってくる佳作だとは思うんだけど、この人ちょっと生真面目っていうか、いわゆる「ホラー映画的なもの」を綺麗にトレースして見せるオマージュの強さは異様にあるんだけど、ガチガチ過ぎて遊びの無い、なんだか窮屈なホラーを撮っちゃうんだよな。結局、フォロワーではあってもクリエイターではないような気がするのよ。ロックで言うとギターの完コピは超絶的だが自分のオリジナルは作れない、みたいな。だけど以前『 グラインドハウス』で監督したフェイク予告「ナチ親衛隊の狼女」は、かな〜りハッチャけた美味しい出来だったんで、ホントはこの人、こういった方面で撮ったほうが面白いものが出来るんじゃないのか?って思うんだけど。
さて映画の方なんだけど、ホワイト・トラッシュの家庭に生まれ荒廃した性格になってしまったマイケル少年が家族を惨殺した挙句精神病院に入れられるんだが、数年後そこを脱走して次々と人々を惨殺してゆく、てな話なんだけどね。サイテー貧困家庭→性格破綻→連続殺人、といった理由付けが説明的過ぎるように感じたがな。育ちが悪いからキチガイになるっていうものなんだかなあ。で、脱獄してからバカスカ殺しまくるんだが、なんで生き残った家族を狙うのかが良くわかんないし、マイケルことブギーマンはどうせ不死身だろうから何されたって屁でもないだろうし、こういった映画だから登場人物はどうせみんな殺られちゃうんだろ、とか思って観てると、なんだか全然緊張感が湧かないんだよな。という訳で今回のロブ・ゾンビ映画もオレにはスカでありました。