■ホット・チック (監督:トム・ブラディ 2002年アメリカ映画)
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まず体の入れ替わるこの二人、まるで面識が無く、殆ど終盤まで絡むことすらない。そして物語はロブ・シュナイダー演ずるところの”心が女子高生の小汚い中年”を中心に語られてゆく。で、この”心が女子高生の小汚い中年”が、セクシーなおパンツやラブリーなピチTシャツを着て「いやーん!うそーん!しんじらんなぁーい!」と気色悪くクネクネするさまを観てギャハハと笑うのがこの映画の趣旨となっている。そしてクネクネしながら元の体を捜したり、友人との友情を再確認したり、家族の本当の愛を知ったり、恋人に正体を明かせなくて切なくシクシク泣いたりするんである。
一方”心が中年チンピラの女子高生”のお話はあまり語られない。だって中年のオッサンがパツキン女子高生の体なんか手に入れたら何をするか、などと同じ中年として考えた場合、それはもう成人指定映画にしかなりようがないような恐ろしくドスケベな展開以外考えられないではないか!?ってかこんなこと考えるのはオレだけか!?オレの心は汚れているのか!?そうかそうなのか!?
主人公の女子高生ジェシカ・スペンサー(レイチェル・マクアダムス)をはじめとするパツキン女子高生たち(アンナ・ファリス、マシュー・ローレンス、エリック・クリスチャン・オルセン等)はなかなかにキャワイらしく、「やっぱ女子はコーコーセーでパツキンに限るゼェ!」とか例によって訳の分からない納得をしているヤラしいフモさんだ!大人ってヤーネ!
しかしこの女子高校生たち、物語冒頭ではどうにも憎たらしいこまっしゃくれた連中で「こんないけない子たちはやはりこのオジサンがみっちりと教育指導してあげないとな、グフフ」などと、もはや映画とは何の関係も無い盛り上がり方をしている爛れた中年のオレであったが、映画が進み、実は結構健気な彼女たちの姿が描かれるにつれ、気持ちの優しいいい子ばっかりやん!などと次第に応援までし始めていたのはナイショだ!
■がんばれ!ベンチウォーマーズ (監督:デニス・デューガン 2006年アメリカ映画)
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アダム・サンドラーの製作により、サンドラーのサタデー・ナイト・ライブ時代からの盟友ロブ・シュナイダーとデイヴィッド・スペードが主演、さらにあの「バス男」「俺たちフィギュアスケーター」のジョン・ヘダーがまたもやアホアホ兄ちゃんを演じるというコメディ映画。映画のテーマは「いじめられっ子やオタクだからって決して負け犬なんかじゃない!」というとてもポジティブなものだが、これもやはりアダム・サンドラー的な善良さが前面に出た結果なんだろうな。とは言ってもリッチーやクラークのダメダメ野郎振りはやっぱり可笑しいし、リッチーの引きこもりの弟が「太陽なんか大嫌いだああ!」とかわめくシーンは爆笑ものだし、ちょっぴりご都合主義的な部分に目をつぶれば結構な良作なんじゃないかな。
でもね!いくら3人だけのチームで野球をプレイするのが大変だからってさ、相手のチームのガキどもが性悪だからってさ、子供ばかりのリトルリーグで大人が連戦連勝して、「やったー!勝ったーッ!」とか喜んでていいのかよ!?いけ好かないガキはホームスチールの時に蹴り飛ばして、してやったり、なんてかなり大人げなさ過ぎないか!?そしてそれを観戦しているいじめられっ子・オタク連合の子供達が「ボク達のヒーロー!」とか持ち上げちゃってるのって、なんか歪んでないか!?こうして考えるとかなーり変な映画なんだが!?