- 月を見上げていたら、自分は月のことを結構気に入ってるし、案外月のことが好きなんじゃないかと気付いた。
- でも太陽や星より断然月だな、などと結論付けようとしてふと思った。
- 太陽は眩しすぎて見つめられないし、星は小さすぎてよく見る事が出来ない。
- だったら必然的に月が残るだけじゃないか。
- なんだ、自分の月への想いはそんな単なる消極的な理由からだったのか?と自問してみる。
- 月は夜でも昼でも空にいてくれる。いないときもあるけれど、だいたいはいてくれる。
- そして月は日々見上げるたびに形が変わる。心配なぐらいに変わってゆく。
- 月は気の置けない奴だ。月にはいつも興味津々だ。
- そうしていつも月の事ばかり気にしている自分に気付く。
- そうか、だから自分は月のことが好きなんだな。
- 月よ今日も空に昇っていておくれ。せめて新月を迎えるまでは。