フレンチ&メイド (前篇)

■銀座でフレンチ!
今日はなんとハイヒールを履いた素敵な女子とフレンチレストランでランチなんぞを食らってきたオレである。

全くこのオレがフレンチとは。この日記を始めて4年だか経つのだが、まさかこんな展開になっているとは当時のオレは思いもよらなかっただろうなあ。フレンチって、フライじゃなくて、切ったり刺したりする野蛮な金属道具が目障りなぐらいテーブルに放り投げてあるアレですよ。話にきくとフランス人が発明したものらしいですね。行ったら皿の上に布巾が丸めて置いてありましたが、片付け忘れたんですかね。コルドンブルーって青いのか?それって不味そうじゃないか?と思ったら青く無かったですよ。ポワレって探偵の名前から取ったのか?と思ったらあんまり関係無かったみたいでしたね。あとぶどうで作った酒頼むとぼったくりバーみたいな値段請求されるって聞いたんでスーパードライないのかと思ってメニュー探したらありませんでしたね。品揃えの悪い店だな!あと結婚式帰りみたいな黒服がいっぱい立ってましたが、あれって用心棒なんっすかね?殴り合いしたらオレのほうが強いと思ったけど。…ってかフレンチなんか行ってもオレは万事が万事この調子なんだよおおお!もう文章のあちこちから焦りまくっているオレの姿が浮かんできそうだよな…。

さて気を直して話を進めると、この日お会いしたのははてなダイアリー《Panic Party》という日記を書かれているあやさん。奈良に住まわれている方なのだが、今回お仕事で上京され、いい機会だからとお会いすることになったのである。有楽町駅で待ち合わせたあやさんは毛皮のボア付きの黒いコートに黒いハイヒールという出で立ちの美人ちゃんであった。ハイヒール女子とデートとは…今まで生きてきてよかった…。

初対面の挨拶を交わし、この日の為に予約を入れておいた銀座のカジュアルフレンチレストラン、『ロテスリー・レカン』へ。『銀座レカン』の姉妹店であり、ロースト料理を中心としたフレンチを出すお店らしい。だいたいなんでフレンチレストランにしたかというと、「せっかく初対面の女子と会うんだし、たまには食ったことの無いものを開拓してみよう」ということだったのである。で、銀座でフレンチの店をあれこれ探したんだが、いやー、山のようにあるんですね銀座のフレンチって…。この『ロテスリー・レカン』はお値段も高級感もそこそこで、このオレでもギリギリOKだろう!ということで決定。しかしやっぱりちょっと緊張して、前の日にこっそりフレンチのマナーなんぞをネットで調べていたオレだ!すんません田舎もんなんです…。ドレスコードも分かんなかったので、なんとあろうことか、この日はネクタイ締めて行ったぞ!職場でも締めないのにな!

重々しいドアを開けるともうそこはフレンチだ!きびきび動く店員さんに案内され既に舞い上がっているオレだ!負けるもんか!席に着きメニューを渡され、あやさんとランチコースを注文だ!この日のメニューは《・自家製真鯛のスモーク、天然海老、アボカドと緑健トマトのサラダ ・すずきのポワレ エピス風味 あさりのバターライス添え ・ラモーニのピンクヴィール(仔牛)のパネ“コルドンブルー” ・清峰オレンジを使ったクレームダンジュとタイムのグラニテ ・キャフェ》ということらしい!相手になってやる!じゃあワインも頼んじまうぜ!グラスワインだがな!あやさんはオレンジジュースだ!いつでもかかってこいフレンチ!

という訳であやさんとあれこれお話をしながら次々と出される料理をたいらげたオレであった。ええと、あの、美味しゅう御座いました…。前菜の海老も鯛のスモークも、すずきのポワレだかポワロだかも新鮮だったなあ。美味い魚料理はいいもんだ。牛のカツレツ(あれはカツレツだろ?)もいがった。オレは美味いものを食うと身をよじって喜ぶという所謂《暗黒舞踏状態》となるのであるが、この日は場所柄もあり、なんとかピクピクとする体を抑え、耐えていたのであった。皿が片付けられたあとにテーブルに落ちていたパンくずを、店員さんがマネークリップみたいな器具で集めて綺麗にしていってくれたが、あれは《パンくず片付け機》という名前なのか?料理の後はエスプレッソをやっつけ、大変ご満足したオレであった。あやさんも喜んでくれたようだ。やるな、『ロテスリー・レカン』!あんた流石だよ!お店も満席だったしなあ。

食事が終わると既に2時。2時間もメシ食ってたのらしい。いやー素敵なひと時であった。そしてお店を出た我々二人は、次の目的地、秋葉原メイド喫茶に赴いたのである。ええええ!?銀座でフレンチの後に秋葉原メイド喫茶!?
(長くなったんで次回に続く)