聖地探訪/男の中の男の映画館・銀座シネパトスで男を噛み締める!!


ますらおとは真の男の謂である。そのますらおが真に観るべき映画、それはゾンビ映画とボンクラ映画である。そしてますらおが行くべき真の映画館、それは銀座シネパトスである。そう。常にゾンビ映画とボンクラ映画を上映し続ける銀座シネパトスとは、ますらおのみが行くことが出来るという、聖地アバロンの別称だったのである。
JR有楽町駅から降りて晴海通りを東銀座方面へひたすら歩くこと約10分。昭和通りと交差する少し手前の道に地下へと潜る階段がある。こここそが男の世界への秘密の通路、歓喜と陶酔とゾンビとボンクラが渦巻く禁断の地への入り口なのだ。

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この日オレはそぼ降る雨の中、真の男が観るべき至高の映像作品、その名も『ゾンビ・ストリッパーズ』の初日を観に行ったのだ。かつてこの場所はピンク映画をよく掛ける映画館のあった場所だったのではないかと思う。当時まだ嘴の青かった田舎モンのオレには、この場所はまだ大人っぽ過ぎて入ることがままならなかった。しかし今や酸いも甘いも噛み分けた厚かましい脂中年と化し、遂にこの場所に足を踏み入れる切符を手に入れたというわけなのである。

階段を下りるとそこは"昭和"。それは男が男として輝いていた時代であった。例えどんなに辛かろうと、背中で泣いて顔で笑う、そんな男意気こそが最高の勲章だった、甘美な時代であったのだ。そして高級ブランド店が軒を連ねる、チャラチャラと浮ついた金満銀座の一角で、この場所だけが頑なに、男の粋と男の魂を保ち続ける砦として生き残り続けたのだ。

通路には定食屋、散髪屋、一杯飲み屋、壁には沢山の映画ポスター、そして男のたしなみ『大人の玩具屋』まであるという、まさに男のワンダーランド、男の魂の帰る場所、男の心が安らぐ店がひっそりと並んでいる。


銀座シネパトスはこの場所に3館の映画館として存在している。チケット売り場でお好みの映画のチケットを買い、心躍る銀幕の世界へと旅立つのだ。


勿論この日のオレのお目当ては『ゾンビ・ストリッパーズ』。もう前売りは買ってある。開映時間までまだ間があるが、早めに入ってロビーで寛ぐことにしよう。劇場の暗がりでこれから巻き起こる、男の夢と男の喜びが花開く、甘美な映像を楽しみにしながら。
さあ、出陣だああ~~ッ!!

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■銀座シネパトス〜四つの顔を自在に操る個性派映画館