ボルベール《帰郷》 (監督:ペドロ・アルモドバル 2006年スペイン映画)

な、なんだったんだこの映画は?というオレにはちょっと理解出来ん映画だった『ボルベール《帰郷》』。ええとスペイン映画です。バリバリラテン系です。色彩派手です。主演のペネロペ・クルスは顔の派手な美人ですが性格もきつそうです。色っぽさよりも逞しい母親の面が映画ではクローズアップされていたように思います。
ええと、祖母・母親・娘、3代の女たちのドラマです。人生いろいろ〜ですが、男はいろいろではなく、むしろ添え物、背景です。女同士で逞しく生きて行こうね、という映画なのかもしれませんが、どうもこの女性の感情の機微というか陰影というかそういうのが全くオレにはピンと来ませんでした。すいません、オンナのキモチの分からない野暮な野郎なんです。「なんて無神経な男なの!」とよくなじられます。ホントにすいません。
最初に主人公の旦那が娘を襲おうとして逆にぶっ殺されますが、これはサスペンスの始まりとかそういうのではありません。旦那は冷凍ボックスに入れられてすぐさま忘れ去られます。いいんですラテン系なんだから。で、隣の休業中のレストランを勝手に開けて商売を始め、これが何故だか大成功してしまいます。いいのかこれ?とも思いますが、このインチキ具合がラテン系なのでしょう。
そして中盤から死んだはずの主人公のお母さんが現れます。おお、いきなりホラー展開なのか!?と思ったらそうでもなく、よく分かんないんですが死んだ振りして身を隠していたんだそうです。何考えてんだ、と思いましたが、まあこれもラテン系だからしょうがないということなんでしょうか。肉親同士の親愛の濃さ、女同士の情愛の濃さ、そういった女性限定の濃いい結びつきを描いたものなんでしょうが、男のオレはそれを見せられても困るばかりで、ううん、女って凄いなあ、凄いんだなあ、と棒読みで頷くばかりでした。