オレとオチャケのこぼれ話

昨日のこぼれ話ということで。
オレがこれまで飲んだ一番美味しい日本酒はというと例によって学生の時だったんだが(またかよ)、親が正月の御神酒用に買ってきた一升瓶のお酒をですね、「ちょっとだけなら判んないだろ」とコーヒーサーバー(あのビーカーに取っ手付いたみたいなやつ)に入れて直火で燗にして飲んだやつだったな。直火で燗なんてとんでもない!というのは判るが、実はそれが初めて飲んだ日本酒で、「うあ!世の中にはこんな美味いもんが!」と感動したのを覚えてるんですよ。

多分銘柄なんてその辺のやつなんでしょうがね。そのあまりの美味さに、”ちょっとだけ”のつもりが毎晩こっそりその酒をコーヒーサーバーで直火燗にして飲んでてね、4日ぐらいで全部飲んでしまったのですよ!こりゃやばい!と思って空いたビンは隠しましたが、さすがに親が正月寸前になって「買った日本酒が無い」と探してましたけどね!そしてなんだか、それを超えるような美味しいお酒って飲んでないんですよね。これってきっと飲んでたオレの体がまだ若くて健康だったからというのもあるんでしょうね。最も美味しいお酒って、銘柄がどうこうではなくて体がそれを受け入れられるような体調である時なんだと思いますよ。だから本当は安いお酒でも楽しく飲めればそれは美味しいお酒なんだろうし、体壊していたらどんなお酒だって不味いものですからね。

ビールで一番美味かったものの思い出は、やはり実家にいた頃ですね。真冬の最中、深夜に突然ビールが飲みたくなりましてね、ちょっと離れた所にある自動販売機まで買いに行ったんですよ。当時は24時間営業のコンビニなんて無かったですが、逆にビールの自動販売機は24時間普通に稼動してたんですね。しんしんと降る雪の中、積もったばかりの雪を踏みしめて凍えながら自動販売機へ向ったのですよ。通りには人も車も影を見せず、暗い空は雪のせいで奇妙にシーンとしていましたね。雪が降ると静かさって倍に感じるものですね。そして500mlの缶ビールを一個買って寒い思いをしながら来た道をまた戻り、ようやく家に着いて、カンカンに燃えるストーブの暖かさにほっとしたものです。そしてその寒い所から暑い部屋に入ってから飲んだ冷たいビールが格別に美味しかったのでした。今じゃ惰性というか習慣で飲んじゃってますけど、そんな思い出がありますね。

お酒とは違うんですが、昔レモンソーダを自分で作っていたことがありました。レモンをスライスして蜂蜜に漬けておくんですね。そうすると浸透圧の影響でしょうか、レモンの水分が蜂蜜に沁みてくるのです。それを炭酸で割って飲むんですね。これはファンタレモンなんかと同じ味がしましたが、こちらのほうが本当の意味ではレモンソーダなんですけどね。さてこのレモンソーダを作る為に瓶入りの炭酸を何本か買って冷蔵庫に入れてたんですね。そうするとそれが母親に見つかって、「お前炭酸なんか買ってきてお酒でも飲んでるの!」などとあらぬ誤解を受けたことがありました。いや、それは違う、と。まあ本当はお酒はこっそり飲んでましたが。