哀愁の足攣り

また今日も電車に乗り遅れそうになり形ばかりの”全力疾走”をしてしまったオレである。
そしてまたもや足が攣ってしまいびっこを引いているオレなのである。
そんな話をガールフレンドにしたら「ウンドーブソク」と冷ややかに言われたオレでもある。
つれないのである。
足が攣ったのに”つれない”とは人生の皮肉である。
このようにいつも立場のないオレなのである。
しかし「ウンドーブソク」と言われたからといってウンドーを始めようか、などとケツの毛ほども思わないひねくれ者のオレだと言うことも出来る。
どうしてこんな悲しい男になってしまったのだろう。
きっと小学4年生の時に大好きだった女子から
「…ねえ、フモ君って、眉毛繋がってるよね?」
などと事も無げに言われたからであろう。
オレはこちカメの両津か。
いや、確かに似ているといえば似ているんだけどな…。
性格までな…。


そしてオレは老年の哀愁を背中に背負い、今日も暮れなずむ町を歩いていくのであった。
びっこ引きながら。
「カアカア」
ほら…カラスが南の空に…。
きっとかあさんカラスの元へ帰ってゆくのだよ…。