早川異色作家短編集全20巻が再刊行へ!

キス・キス (異色作家短編集)

キス・キス (異色作家短編集)

早川の異色作家短編集が全20巻ということで再刊行される。
往時の早川の全集というのはSFにしろミステリにしろ”奇妙な味”と呼ばれる作品にしろ非常に魅力的なラインナップを揃えており、まだガキンチョだったオレは図書館でその背表紙を眺めただけで陶然となったものである。特に早川SF全集との出会いは衝撃的だったな。図書館の書庫で全ての巻を1冊1冊手にしてはその頁を繰り、この全集全てを読むことは出来るのだろうか、と贅沢な悩みに悶々としたものだ。結局半分の作品は読めたのかな…。グレアム・グリーン全集も気になる全集だった。結局代表作とされる『ヒューマン・ファクター』しか読んでないんですが…。しかし、オレが最も愛した全集はボリス・ヴィアンのものだろう。全巻とまでは行かなかったが、殆どの巻を読破した。『うたかたの日々』『赤い草』『北京の秋』『心臓抜き』、幻想味とシニカルさが渾然となったそれらの作品は、タイトルを挙げただけでも未だ胸が高まるようだ。
そして異色作家短編集である。SFの極彩色の空想の世界に慣れ親しんでいた若輩者のオレには、それらミステリとも怪奇小説とも違う作品群に憧れはしたが、読むには渋すぎるような気がして、気にはなってはいたが何冊か手に取るにとどめていた。もうちょっと大人になってから読んでも遅くないと思ってたんだね。それ以来20年以上、時々全集の存在を思い出してはいつか読まなきゃなあ、と思っていたんだ。でもこの「いつか機会が来たら読もう」という本は結構あって、例えば『指輪物語』などは存在を知ってから本当に読む決意をするのに10年かかったよ。考えてみれば気の長い話だよねえ。
今回刊行を聞いた時には、実はそろそろ旧版でも読もうか、と思っていた矢先だった。だからグッドタイミングだったかも。初回刊行のロアルド・ダール『キス・キス』、フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』も早速ゲット。
でもねえ。全20巻。ちょっと弱気になってしまう巻数ではあるよな。そんなことを読書家の厘時(id:rinji)さんにコメントしたら、「読まなくても買っておくべき」という力強いプッシュがあったよ。だから取り合えず買っておこうと思うよ。厘時さんありがとう。…オレ、頑張る!(読書にもド根性がいると言う教訓なのであった。)
あの伝説の「異色作家短編集」が刊行へ!:http://www.excite.co.jp/book/news/00021127267324.html