天動説

とある写真に写っていた物を「右から何番目の…」と指していた文章があって、それを読んだオレは「向かって右なのだろうか」と一瞬悩んだ、そして…。
「いや、向かっての「向かって」とはなんなのだろうか」
「これは自分が正面から見て自分の右を右とすることなのだろうか」
「つまりこれは天動説という事なのだろうか」
「逆に今見ている写真の写真にとっての右側、ということなのだろうか」
「いやしかし写真に写っている人形は正面を見ているから、人形にとっての右とはつまり写真それ自体の左側になるのではないだろうか」
「オレ左利きだから時々右と左の言葉の感覚が混乱するんだよなあ」
「もしこれが鏡に写ってたとして」
「なんで鏡に写す必要があんだよ」
「そう言えば「鏡の国のアリス」ってちゃんと読んだ事無いぞ」
「「鏡の国のミルクはきっと美味しくないに違いないわ」とアりスは言いました」」
「物質の構造が逆になるとタンパク質とかの構造も逆になるから美味しくないんだ、とか科学の本に書いてたな」
「この場合オレがどちらを向いていても写真が上だろうが下だろうが人形が主体となった右側は変わらないので、この場合は地動説という事になるのだろうか」
「いや今さっき思い付きで言った天動説にこじつけただけだから実際は地動説とは何も関係無いのではないか」
「海は死にマスカ山は死にマスカ川は死にマスカああそうですかそりゃどうも」
「そういえば地動説って誰が唱えたんだっけ」
ケプラー?」
ガリレオだっけ」
「それでも地球は回っている」
「オレはいつも酒飲んで目が回っている」
「「こんな天井の回ってる家なんかいらねえ!」ってオチの落語あったな」
「天動説って唱えた人がいることになっているのかなあ」
ウィキペディアろう」
「おおお「プトレオマイオスの天動説」だって」
「あの、象とか亀とかが世界支えてるのはなんて言うんだろうな」
ビューティフルドリーマーみたいなヤツ」
「おおおおこれか「須弥山説」(しゅみせんせつ)だって」
「この「弥」って字オレ読めないんだよな」
「なんか「や」って読んじゃうんだけど」
「だから末弥純って名前、「すえやじゅん」ってずっと読んでたなあ」
末弥純ウィザードリィ・ワークスって本持ってたけど、ええと…おお!アマゾンでプレミア価格が付いてる!」
「ってか何で「や」って読んでたんだ?」
弥勒菩薩はちゃんと「みろく」って読んでたけどな」
「でも山田正紀の弥勒戦争は「やろくせんそう」って読んでいたような気が…」
「馬鹿だったのかオレ…」
「おおおお!なんかケータイにメール入ってきたよ!」
「…ドミノピザからキャンペーンのお知らせだよ…」