新入社員

昨日から会社のオレの事務所に男子新入社員が入ってきているんである。二名である。二人とも若い。26,7歳だ。ピチピチしてるんである。肌なんかツヤツヤしてるんである。溌剌としているんである。憎い。若さが憎い。ピチピチが憎い。ツヤツヤが憎い。溌剌が憎い。ドロドロゲロゲロの妖怪人間と化しているオレとしては面白くない。嫉妬である。ジェラシーである。男のジェラシーほど醜いものはないんである。表情としては目をすがめ眉間に皺を寄せ下唇を噛み、そして特殊効果として背景に燃え上がる炎と憤怒の表情の阿修羅王の像、稲光と重低音を効かせたオーケストラのBGMが挿入されている絵などを想像していただくとよいであろう。その姿はいつ京極夏彦の小説の題材に取り入れられてもおかしくないほど怪奇と猟奇に満ちているのである。
そしてこのようにフォースの暗黒面に落ちたオレはこの若造たちに牽制と威嚇をたっぷり込めて口を利いてみる。するとどうだ、礼儀正しく爽やかな青年たちではないか。すまん、許してくれ、修羅の道を歩もうとしたこの腹黒い先輩のことを。
と云うわけで頑張ってくれ給え若者たちよ。(なんだこの文章は)