アイスクリームはラーメンの夢を見るか

■アイスクリームラーメン!!
ええと…。
以前ここ(http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20060424#p3)で紹介したアイスクリームラーメンなんだが、ええと…。


食いに行くことになったんだよぉ!!!


この記事を気に入ってくれたマイミクのトド君という子(ピチピチの二十代♂だグフフ)が強烈に興味を覚えたらしく、一緒に食べに行こうとお誘いがあったのである。
ノニジュースだの(http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20051120)デスソースだの(http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20060415)悪食でエントリを書き続けてきたオレ、この誘いを断るわけには行かない。ただなあ…なんかめっちゃ気が重いんだが…。



■その日は
昨日はミクシのお知り合いの方たちとプチオフ会(またあとで記す)があって出掛けてたんですよ。トド君とはそれが終わった後くだんの店に出かけようということになってたんだが、その日初対面だったMさんという方まで参加する羽目に。うむむ、初対面でいきなりディープかつハードなフモライフを目にしなければならないとは…。初対面のMさんスマン…。
さてプチオフがお開きになり3人は日本のブロンクス足立区は北千住へ。店の営業時間が8時までということだったが既に時間は7時過ぎ。不案内な土地をうろちょろして時間を無駄にするよりはとタクシーに乗って行くことになり、駅前のタクシー乗り場に辿り着いたオレ達。タクシーはすぐやってきたが、さて乗り込もうとするとなにか尋常ではない雰囲気がタクシーから漂いまくっている。
そう、そのタクシーは、『キティちゃんタクシー』だったのである。



■『キティちゃんタクシー』
キティちゃんタクシー。車内はドアも天井もキティちゃんのシールで埋め尽くされ、ダッシュボードにはキティちゃん人形、前座席の後部にもキティちゃんぬいぐるみ、と、まさにキティちゃんの曼荼羅、キティちゃんの小宇宙、キティちゃんの秘密基地状態だったのである。ただこれを運転しているのはどう見てもその辺のオッサンだったのだが…。


オレは鞄の中に潜ませたブラ子たん(持ち歩いてんのかよオレ。)を密かに握り締め、ふつふつと対抗心を燃やして(燃やすな)訊いた。


「あのう、この辺で変なラーメンで有名な”菊や”というところに行きたいんですが。…それにしても凄いタクシーですね。」
「おう!あの店かい!知ってるともさ!ま、オレもこんなタクシー運転して変わってっけど、あそこのオヤジの事は理解できないナ!お宅らも物好きだナ!」
さすが足立区、タクシーの運転手もべらんめえ口調だ。
「どうよオレのキティちゃんタクシー!ギャルには大人気よ!お宅らよりもお宅らの後ろで待ってたギャル乗せたかったぐらいだよ!」
なかなか言ってくれるタクシー運転手である。
そしてこのキティちゃんタクシーとの出会いこそが、これから待っている災厄の予兆だということを、その時3人は誰も気付いてはいなかったのである。


■到着
キティちゃんタクシーはオレ達を『菊や』の前に送り届けると、またどこかへと去って行った。千住の薄暗い住宅街裏に立ち尽くすオレ達3人の前には、この日のメーンイベント『菊や』の黄色い看板がぼんやりと輝き、オレ達の入店を待っていたのである。
『菊や』。カウンター席が8つほどで一杯の小さなラーメン屋だ。中に入ると寂しげな表情の店主が迎えてくれた。



いやあ、話通りメニュー凄いっすねえ。
黄色水色紫色。チューリップのようだねえ。
「?店長さん、あの難しい漢字のは?」
「ああ、あれは自然薯が入っているんですよ。」
「…あのー。アルカリっていうのは…。」
「あーこれです。」
と言って店主が取り出したのはアルカリ電池だ!
「これで舌がビリビリ来るんですよ!」
「えええええええ!!!」
「…というのは冗談で本当は梅干が入っているんです。アルカリ性のラーメンですよ」


…乾電池はネタかい。ってかこの会話のためにいつも用意してあるな乾電池!なかなかやる店主とみた。





■注文
さて。いよいよ注文だ。何を頼むかは決まっている、勿論アイスクリームラーメンだ!!
「アイスクリームラーメンお願いします!」
「冷たいラーメンですよ」
「おう!」


お品書きの前で記念撮影するお茶目なオレ。まだこの時は余裕だった。




で、出てきました。これです。
真っ二つに切ったアイスにゆで卵と青海苔のハーモニーが目を楽しませてくれます。



さて箸を付けました。


おお。冷たいとはいえなかなかこなれたスープ。冷やし中華みたいに酢を使っているわけではない。なかなか研究していると見た。


うん。


うんうん。


…。


………………。


……………………………………………………。



スイマセン、許してください、これ食べられません。






■またも敗北!
えーと。あの。お口に合いませんでした。はい。そういう言い方にさせてください。
店主さんの哀愁のこもった背中を見ると悪し様に否定することなど出来ません。
出会いには幸不幸というものがあるのだ。
縁が無かった…きっとそういうことなのでしょう。
「店長、ちょっと駄目でした!」素直に敗北を認めるオレ。
「うーん、夏場だとこんなおっきい氷を5つも入れて冷たくして食べると美味しいんだけどねえ。」
「そっかあ、やっぱり今日は寒かったしナア。」
「そうだねえ。」
それ以前にバニラの甘い風味とわかめの磯の香りのする塩辛さのマッチングが微妙すぎて、オレは食いながら涙目になっていたのだが…。
いや、よそう。それと知ってチャレンジしたアイスクリームラーメン、負けは負けなのである。
悪食は食えてなんぼ、食えなくて文句を言うのはその辺の有象無象のやることなのである。
修行が足りなかった。
ノニジュースごときで天狗になっていたオレが浅はかだったのだ。
そしてオレは更なる修行を誓い、『菊や』をあとにしたのである。
リベンジマッチは…無いからな!!!


(↓箸を持ったまま固まっているオレ)




■終章
いやあ。
この後入ったドトールコーヒーのごく普通のコーヒーとホットドックが涙が出るほど美味くって…。
食欲の無い人は逆療法としてこのアイスクリームラーメンを食うというのもありなのではないか。
興味のある方は是非お立ち寄りください。


店名:菊や
住所:東京都足立区千住大川町10-3
営業時間: 11:00〜15:00 / 17:00〜20:00
定休日:月曜