- 作者: 唐沢俊一,村崎百郎
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2004/12/19
- メディア: 単行本
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ゲロゲロに下品で鬼畜である本書であるが、本当のテーマとは「ヒューマニズム=人道主義を疑え」ということなのだと思う。世の中には正義や常識はあるにせよ、正義や常識を振り回す連中はそれほど清廉潔白な連中なのか?っていうか、正義や常識を振り回したくて堪らない連中って、本当はてめえの勝手な都合やコンプレックスを正義や常識に転嫁してるだけなんじゃないか?という確信に満ちたヒューマニズム・バッシング。世間の暗黙の了解で一応正しいとされている人間的行為全てを全否定しどぶに捨て哄笑する、という態度。言っている事が正しいとか間違っているとかではなく、ここまで迷いもなく徹底した態度を一貫してとれるのは、曖昧さや嘘がそこにないからである。そして全ての社会的事件をスカトロとアナル・セックスに矮小化して語ってみせても、実はその程度の「シモ」な動機の事件でしかない、騒ぐほどのもんじゃねえ、と冷淡に看破する。内容もテロ、世界経済から芸能ネタ、地方都市の痴漢事件まで広範囲だけれども、扱い方は同列で、そして平等にシモネタで貶める。「理屈はいいけど本当はシモ半身の欲望満たしたくてしょうがねェだけなんじゃねェの」である。
ただどうしても時事ネタなので、本に編集されてから読むとニュースの鮮度が落ちているのは確か。やはりウェブ上でリアル・タイムで読むのが一番かもね。
この恐怖の対談集の執筆者の一人は唐沢俊一。フジテレビの怪物番組「トリビアの泉」のスーパーバイザーであり、トンデモ本を集めて冷笑する「と学会」の中心人物である。博識でありカルトな人でもあるのだ。 HP=http://www.tobunken.com/
そしてもう一人、この対談で致死性の毒を吐きまくっている男、それが村崎百郎である。鬼畜ライター、という紹介があるがどのように鬼畜か説明しなければなるまい。村崎百郎は「ゴミ」で名を馳せた男である。「ゴミ」とは、他人の出した家庭ゴミを漁り、その内容物を検証する事によって、そのゴミを出した人物の生活環境、趣味、人間関係などを推測する事を趣味とした行為である。いわゆるローテクなハッキング行為、個人情報の収集なのだ。なぜそんなことをするのか?楽しいからである。他人のプライバシーをゴミを通して覗く。下種な行為ではあるがプロファイリングの観点から言うとひどく真っ当な方法なのである。ハッキングの基礎もソーシャル・ワーキングであるからである。セキュリティーホールやトロイの木馬を駆使したハッキングと、実はなんら変わらない、知的な愉しみなのである。勿論変態のやる事だけどな!!この村崎百郎、シベリア生まれで中卒とか言ってるけれど本当は嘘で、実はペヨトル工房の編集者もした事もあり、思想や文学に精通した知性派なのだ。知性ある変態。こういう男は最強だと思う。オレも下種なバカ野郎の端くれとして見習いたいものである。(真似しないけど。オレみたいなのが半端に真似なんかしちゃいけないのは重々承知であります。)ホームページも気が狂いまくっていて楽しい。みんな読め!! HP=http://data-house.oc.to/users/100/
(これが村崎百郎氏。怪し過ぎる。)