ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション

買いました。「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション(SEE)」。劇場公開版より50分長い250分収録。いわゆる完全版ってやつです。劇場公開以来やっともう一度見る事が出来ました。本編2Disc、映像特典2Disc、計4枚のDVDセット。ナッツぎっしり確かな満足。これでLOTR・SEEは3作コンプリートだ!感想については今更書かないけど、やっぱり歴史に残る大名作だと思うけどなあ。ところで『50分長い』のがどの部分かよく判らなかったオレですが、それは酒飲んで観てたからです。ええ、有り難味のない男なんです…。やっぱり冒頭のサルマンとグリマのくだりは追加部分だよね?ね?そんな事を言いつつ、後半Disc2に入ってからは部屋で正座して観てた。オレ、部屋で映画観てる時って、面白くなると正座しちゃうタチなんです。ああ、やっぱ凄い映画だよ…(遠い眼)。
この中の特典Disc、まだ全部観た訳じゃないんですが、最初の『J.R.R.トールキン〜中つ国の遺産』からして既に見所十分だった。
トールキンは馬が好きで、「第一次大戦前にトールキンは騎兵隊に入った」という話。だからこそ「ローハンの人々=馬術に長けた人はトールキンの理想」だったという。「もし当時イギリスに騎兵隊があったらば、1066年にノルマン人に征服されることもなかっただろう」そして、「ノルマン人の文化が入ってきたためにイギリスには神話が育ったなかったと感じていた」。そうか!だからこそトールキンは自ら神話を作ったのか。『指輪物語』をこういう文脈で見るのも面白いね。
泣かせるのは「ベレンとルシアン」についての逸話だ。「ベレンとルシアン」とは『指輪物語』世界をさらに遡る世紀に繰り広げられるもう一つの神話『シルマリルの物語』の中のエルフと人間のカップルだ。トールキンは妻イーディスが亡くなったとき墓石に《ルシアン》と彫り、そして自らの墓にも《ベレン》と彫らせたという。自分の愛する女性に自らが紡いだ物語のエルフの姫君の名をつけるということ。エルフ、とは、トールキンにとって、美しく賢く聡明な種族であり、”人間種”にとっての理想たるべき種族であった。そう考えると、彼がいかに妻イーディスを愛し尊敬していたのかが窺い知れ、その情愛の深さには「愛って何?燃えるゴミ?燃えないゴミ?」などとタワケた事しか言わない糞野郎のオレでさえ胸を打たれたりしたのだった。この逸話については『ベレンとルシアン〜トールキン夫妻に思うhttp://lunar.littlestar.jp/stardust/tolkien/luthien.html』に詳しいので、興味の沸いた方は御一読を。
オレなんかは原作『指輪』を読み、映画観たぐらいのにわかマニアだけど、ホビトニアンとかリンガーとか呼ばれている方たちには常識なのかもしれないけどね。監督のピーター・ジャクソンは今『キングコング』を撮ってるらしいけど、終わったら『指輪』の前章である『ホビットの冒険』の映画化に取り掛かるって話じゃなかったかな。どんな映画になるんでしょうね。