欺術(ぎじゅつ)―史上最強のハッカーが明かす禁断の技法 / ケビン・ミトニック (著), ウィリアム・サイモン (著), 岩谷 宏(翻訳)

欺術(ぎじゅつ)―史上最強のハッカーが明かす禁断の技法
さてその後、「ハッカーを追え!」の時代のようなシステム・バグを突いたアクロバティックなハッキング・テクニックは無くなり、ソーシャル・エンジニアリングを使った、人間的要素を利用したハッキングが主流になってきます。
ソーシャル・エンジニアリングとは?
『パスワードやクレジットカード番号などといった個人情報を他人から盗み出したり、遠隔地からの不正操作を可能にするプログラムを実行させたりする手法の1つ。「social engineering」は「社会工学」という意味で、ネットワーク技術やコンピュータ技術を直接的に悪用して他人の情報を盗み出すのではなく、人間心理の弱点などを突いて不正を試みることから、ハッカーの間でこう呼ばれるようになった。/@IT コンピュータ用語事典 : http://www.atmarkit.co.jp/icd/root/29/2434729.html
そしてこのソーシャル・エンジニアリングをさせたら最高のハッカーケビン・ミトニックが書いたのが、本書です。「FBIを恐れさせた最大のハッカー」と言われた著者は、1995年ハッキング行為によって逮捕起訴、5年の禁固刑の後釈放され、企業セキュリティのコンサルタントになった現在、かつてのソーシャル・エンジニアリングの手口をこの本の中で暴露しています。ここではどのようなコンピューターセキュリティーもファイアーウォールも警備員さえも易々と掻い潜って目的のものに近づくハッカーの恐るべきテクニックに触れることができます。しかし、いい悪いは別として、騙し、というのは、やはりセンスだね。手口は書かれているけど、成功さすには相手を信用させるオーラや自信だって必要だもんね。