ジェラルド・バトラーのエンドオブなシリーズ第3弾は『エンド・オブ・ステイツ』なんだッ!?

■エンド・オブ・ステイツ (監督:リック・ローマン・ウォー 2019年アメリカ映画)

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暴力!暴力!暴力!オレが本当に映画に求めているもの、それは愛でも夢でも優しさでもなく、ヒューマニズムだの社会性なんぞでもなく、もちろん美だのゲージツだのなんてもんでもなく、ただただ凄まじい暴力、ぶん殴って蹴り飛ばして刃物で切り裂き弾丸で蜂の巣にし爆薬で粉微塵にする暴力と破壊とその果ての圧倒的な無敵感全能感である。

そして今、オレが映画の世界で一番暴力の匂いがすると思っている男、それがジェラルド・バトラーだ(いや、ジェイソン・ステイサムも好きなんだけどさあ、『ワイルド・スピード』シリーズ出始めてから妙なハク付いちゃってさあ)。やっぱりね、『300〈スリーハンドレッド〉』のレオニダス王、これがジェラルド・バトラーの原点だね。半裸でマント翻して鬼神の形相で喚きまくりながら殺戮の限りを尽くすスパルタ人のおっさん。いやもう頭おかし過ぎて最高だわ。その後の『GAMER』や『完全なる報復』もよかったなあ。最近だと大傑作『ハンターキラー 潜航せよ』、大傑作『ザ・アウトロー』、大傑作『ジオストーム』と大傑作な映画にばかり出演していて、もはやジェラルド・バトラーが出てれば全部大傑作」と言っていいぐらいだ。

そんな大傑作揃いのジェラルド・バトラーの大人気シリーズといえば、宇宙最強のシークレット・サービス、マイク・バニングが大活躍する「エンド・オブ」シリーズだ。これまでホワイトハウスが血の海と化す『エンド・オブ・ホワイトハウス』、ロンドンが瓦礫の山と化す『エンド・オブ・キングダム』と続いてきたシリーズだが、そのどちらも、マイク・バニングことジェラルド・バトラーが敵テロリストをちぎっては投げちぎっては投げ、すり鉢で擂って団子にしたあとつみれ汁に入れて今日の晩飯ウマーという例によって暴力の限りを尽くす最高の映画作品なのである。

そしていよいよその「エンド・オブ」シリーズ最新作『エンド・オブ・ステイツ』が公開となり、ジェラルド・バトラーもこのシリーズも大好き過ぎるオレはもう楽しみで楽しみで社会生活を営むことすら困難になっていたぐらいである。なんと言っても、ホワイトハウスが、ロンドンが殺戮の荒野と化したこのシリーズの最新タイトルが『エンド・オブ・ステイツ』ともなると、もはやアメリカ全土が火の海死体の山と化しその中を主人公マイク・バニングが凶悪なる復讐の神へと化身してテロリストだかなんだかの皆さんを地獄の底まで叩き落すのであろうと想像して胸は高鳴り手足は痺れ瞳孔は開いて喉からは動物じみた奇声まで発してしまいそうではないか。

(「エンド・オブ」シリーズなんて書いたが勿論これは邦題を元にしており原題は1作目からそれぞれ『Olympus Has Fallen』『 London Has Fallen』『Angel Has Fallen』でありそういうことは全部分かってて書いているので「…Has Fallen」シリーズと言ったほうが正しいんじゃないですかどうなんですかどうなってるんですかそこん所、とかいうツマラナイ突っ込みはホントどうでもいいので止めてくれるとホント助かる。ちなみに「Angel」とはエアフォースワンのコードネームなんだとか)

さてお話はというといつものように大統領の護衛を務めるマイクさん、今日は静かな湖畔の森の陰で大統領の釣りのお供をしていたわけである。そこへ!何者かが放った夥しい数の自爆ドローンが襲い掛かり、多数のシークレットサービスを次々と爆殺、生き残ったのは大統領とマイクさんだけだった! しかし大統領の命を救ったにも拘らず事件の首謀者と疑われ拘束されるマイクさん!そして護送中に謎の武装集団の襲撃!からくも逃げ出したマイクさんを武装集団と政府機関の両方が追撃し始める!マイクさんの明日はどっちだッ!?……というもの。

そんなわけで今作『エンド・オブ・ステイツ』、敵の罠にハメられたマイクさんが『逃亡者』よろしく味方からも敵からも追跡され逃げ周り、追いつ追われつの危機一髪!な展開が延々と続くというものなんだね。いやーしかし1作目2作目でホワイトハウスやロンドンが火の海になったのに今作で火が付くのはマイクさんのケツだった!?っちゅうのはずいぶんスケールダウンしてないか!?と思わないことも無いんだけどね。なんだようアメリカ全土が火の海になるんじゃなかったのかよお。調べると1作目2作目と比べると製作費も大幅ダウン(7千万ドル→6千万ドル→4千万ドル)してるらしく、その予算ならむべなるかな......と思わないことも無かったり。

とはいえ好意的に見るならどんどんインフレーションしてきた設定をリセットするという意味合いのある3作目かもしれないよな(納得してないけど)。まあアメリカこそ火の海にならなかったけど、冒頭の自爆ドローン攻撃は観ていて正直「コッエエエエエッ!!」と思えたしネタバレになるから詳しく書かないけど「『地獄の黙示録』オープニングのナパーム攻撃かよ!?」と思わせる中盤の連続大爆破は頭がおかしくて最高だったし、クライマックスの「こりゃ『ハンバーガヒル』だね!」と思っちゃうような壮絶な銃撃戦は楽しすぎて気が遠くなりそうだったし、まあ要するにあちこちで戦争状態でありいろんなものがぶっ壊され大勢の人間が無価値な虫けらのようにバタバタと死んでゆくからオレはもう大満足だったけどね!

とはいえなにしろ全体的にこじんまりしててそんなに大量にモノは壊しておらずせいぜい病院一個ズタボロになる程度なんで、邦題を正確に述べるのであれば『エンド・オブ・ホスピタル』ぐらいかなー。あと今作ではマイクさんと家族の在り方がよりクローズアップされてて外連味に逃げようとしているのがアリアリと見て取れたけど、家族なんか慮ってるヒマあるんならもっと敵ぶっ殺せよ!橋や幹線道路や通信機関を爆破しインフラの息の根を止めて軍部を掌握しこの国を乗っ取ってマイク軍事政権を樹立させ恐怖政治を敢行しろよ!などと物語とは一切関係ない気の狂った妄想で脳汁ダダ漏れさせ一人劇場でアヘアヘと鼻息荒くしている血塗られた豚野郎と化していたオレでありました。いやーそれにしてもホント、暴力映画ってサイコーっすよねえ。

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