AsOne² / As One
テクノ黎明期の80年代からシーンで活躍し、卓越した才能を見せつけ今なお衰えることなく活躍するイギリスのベテランプロデューサーKirk Degiorgio。かつてR&Sレコーズ、ニュー・エレクトロニカ、B12レコーズでIDMの代名詞ともいえる楽曲を送り出し、デトロイト・テクノへの限りない愛に満ちたその作品群は今も綺羅星の如く輝いている。オレもテクノミュージックを聴き始めの頃、彼のその深い抒情を湛えた音にすっかり魅せられたものだ。
様々な変名ユニットを使うKirk Degiorgioだが、その中でもAs Oneは最も有名なユニットだろう。そのAs Oneの待ちに待った新作アルバム『AsOne²』は共にライブを成功させたCatherine Siofra Prendergastと新たなデュオを結成し製作された作品となり、これまで以上にエモーショナルでメロディックなアルバムとして完成している。美しくメランコリックなメロディ、煌めくようなエレクトリック・サウンド、スペイシーな楽曲コンセプト、確実にキープされ畳み掛けてくるリズム、そしてアシッドなドライブ感が躍る、これぞエレクトリック・ソウルと言える至高のアルバムだ。本年度ベストの1作に数え上げてもいいだろう。もちろん今回の強力オススメ作。
Communion / As One
そのAs Oneが前作から15年振りの2019年にリリースしたアルバム。こちらもAs Oneならでは美しい楽曲の並ぶインテリジェント・テクノ/フューチャー・ジャズ。こちらも聴いて間違いのない名作だ。
The Unveiling / As One
こちらはAs Oneによる2023年2月にリリースされた4曲入りシングル。抒情的な新曲2曲ととIan O’Brien、The 7th Plainによる『Communion』からのリミックス2曲が収録。こちらもマストなマシーン・ソウル。
Good Lies / Overmono
ベース/ブレイクビーツ/テクノ・ジャンルを巧みに行き来するUKダンス・シーンの寵児、OvermonoがXL Recordingsより満を持してリリースした注目のデビュー・アルバム。独特のエレクトリック・ヴォーカルとメタルビートの躍る曲の数々はどれもポップでキャッチーでダンサンブル、非常に親しみやすく、一聴して必ず印象に残ることは間違いない。こちらも本年度のベストアルバムの一枚と言っていい高い完成度を誇っており、もちろん今回のオススメ作品だ。
Baddow Moods / Ceephax Acid Crew
イギリスのアシッドハウス＆ドラムンベース・アーチストCeephax Acid CrewことAndy Jenkinson（ちなみにSquarepusherの実弟にして、Aphex Twinのお気に入りだそう）。この最新作ではメロディック・アシッド・テクノとIDMテクスチャーの躍動感を融合させ、そこにビンテージエレクトロ要素をブレンドさせるという非凡なインスピレーションに満ちたエレクトロニック・オペラだ。
One Offs / Bonobo
今やワールドワイドの人気を誇るイギリスのEDMアーチストBonoboによって2002年にリリースされたコンピレーション・アルバム。1stアルバム『Animal Magic』のリミックス4曲に加えシングルB-SIDE曲が収録。ちなみに「Scuba」は、ゲーム「Need for Speed: Undercover」の収録曲。
Happy Land / Various Artists
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Above Board ProjectsレーベルからリリースされたUKにおける92～96年の期間のレアなテクノサウンドをコンピレーションしたアルバム。アーチストはCabaret Voltaire、the Black Dog、Ultramarine (FT. Robert Wyatt)、Herbert、Fretless AZM、Radioactive Lamb、Strider B（aka: Aphex Twin）などなど。90年代テクノサウンドではあれど今聴いても十分新鮮であり興奮することのできるコレクションだ。
Lilies (2023 Remaster) / Arovane
ドイツ人アーティストArovaneことUwe Zahnによる、2004年リリースの3rdアルバム『Lilies』をリマスター再発したもの。20年前彼が日本を旅した際にインスパイアされた内容で、ピアノを中心としたリリカルなメロディが奏でられるIDM・エレクトロニカ・アブストラクト作品。ただ女性日本語ヴォーカルはちょっとこそばゆかった。
