リー・”スクラッチ”・ペリーが8月29日に亡くなったのらしい。享年85歳。「ダブ・ミュージックの生ける伝説」はこうして遂に天界の人となってしまった。
2018年のある日、オレは突然「リー・ペリーのアルバムを探求しなければならない」という天啓に導かれ、それから約1年、リー・ペリーのありとあらゆるアルバムを聴きまくっていた時期があった。
それはリー・ペリー・サウンドという超時空音楽世界への旅であり、リー・ペリーの紡ぐ音の中で法悦の教義を拝受する修行の日々であった。リー・ペリーの音は聖なる三位一体の超越的宇宙を構築し、六道世界の隅々に妙なる波動を響き渡らせていた。それは天道の音であると同時に地獄道の狂気と陰鬱さも兼ね備えていた。
なにやら訳のわからない書き方をしたが、リー・ペリーの音というのは、「どこかの異世界に足を踏み入れてしまった者だけが出せる別次元の音」だった。リー・ペリーはまさに唯一無二であり空前絶後のクリエイターだったのだ。
85歳なら大往生だったかな、とも思えるし、そもそも晩年などはこの現実と"あっちの世界”とが重ね合わさったような場所で生きているような、素っ頓狂かつ奇妙奇天烈な爺さんだった。亡くなった、というよりも、人間の姿が無くなっただけで、その魂は不滅となってこの宇宙に偏在しているような気さえする。そんな神懸かりなアーチストだったのだ。
リー・ペリーを知ってもらうには彼が作ったその音を聴いてもらうのが一番だろう。かつてオレがリー・ペリーにハマりまくっていた時に書いたブログで、幾つもの重要なアルバムを紹介しているので、よろしければこれをガイドにしてリー・ペリーの音に触れてもらいたい。そして、その聖なる宇宙を体験して欲しい。
リー・”スクラッチ”・ペリーに関するオレのブログ記事
リー・”スクラッチ”・ペリー関連書籍
リー・”スクラッチ”・ペリー訃報記事