自動車泥棒と車を盗まれた女の子を巡る恋とアクション!〜映画『Besharam』

■Besharam (監督:アビナヴ・スィン・カシヤプ 2013年インド映画)


高級車狙いのチャラい自動車泥棒が、身持ちの固い美女に惚れて改心するものの、思いもよらぬ大騒動に巻き込まれちゃう、という2013年のインド映画です。
主人公の名はバブリー(ランビール・カプール)、派手な洋服に軽い態度、どこからどこまでもチャラ臭い彼は自動車泥棒。今日もいつものように車を盗み、あっという間にお金に換えてしまいます。そんな彼はある日、泥棒の下見に出向いた結婚式場で清楚な美人ターラー(パッラヴィー・シャルダー)に一目惚れ。あの手この手でターラーにアタックするバブリーですが、ひたすらチャラいバブリーにターラーは鼻もひっかけません。ところが、知らずに盗んだ車が実はターラーのものと知ったバブリーは、「君の車をとりもどしてあげる!」と約束してしまいます。自分で車を盗んだくせに調子のいい男だね!
ターラーを伴い車探しに出るバブリーですが、見つけた車は悪徳政治家ビーム・シン(ジャーヴェード・ジャーフリー)のものとなっていました。なんとか車を奪回したバブリーですが、ビーム・シンの大量の裏金が車の中に入っており、バブリーは銃で武装したゴロツキどもに追い回される羽目に、おまけにターラーには自分が車を盗んだことまでバレてしまい、バブリーには次から次へと苦難が襲うのです!
主人公はひたすら軽いチャラ男なんですが、なんだか憎めない性格なんですね。彼は実は孤児で、表の顔は自動車整備工なんですが、孤児院に寄付するために自動車泥棒をやっている、という泣かせる理由があったんですよ。でも理由はともあれ泥棒は泥棒、悪いことは悪いこと。それをバブリーはターラーと出会うことでようやく知るんですね。で、このターラーなんですが、なにしろ固い。体が硬いんじゃなくて身持ちが固い。まあ、いくらなんでもバブリーみたいなチャラさが七色になって体から放出されてる男相手じゃ、どんな女子だって態度は固くなるだろうなあ、とは思いますけどね!だから懸命に口説くバブリーの前でも、ターラーはいつもしかめっ面してツンツンしまくり。というか、そもそも生まれも育ちも違うこの二人、全然相性合わないと思うんだけどなあ…。
だからとことん一所懸命なバブリーに次第に気持ちを軟化させるターラー、という展開はなんだか説得力が乏しい気もしないでもないんですが、まあ男と女は七不思議、ツンが多ければ多いほどデレの海もまた深いのかもしれません。そして二人が意気投合し車を奪回してからの、思いもよらぬアクションの連打がなんとも嬉しい!
盗難車を保有し裏金を隠していた悪徳政治家ビーム・シンというのは、こりゃもうはっきり言ってマフィアそのもので、彼を取り巻くゴロツキは、機関銃のみならずRPGまで撃ってくるからオソロシイ!こんな相手にいきなり獅子奮迅の活躍を見せるバブリーなんですが、ヲイヲイ、お前今までヘラヘラしたチャラ男だったくせに、いったいなんなのその異様に高い身体能力は!?伏線は!?伏線は!?なーんて言うのは野暮、インドではコケたって話もありますが、インド映画ビギナーには十分及第点、ここはインド映画らしいなんでもありのエンターティメントを楽しもうではありませんか!