クローネンバーグ初期傑作選その2 / XXXからXXXが出てきてね、血ィ吸っちゃうんですよ。〜映画『ラビッド』

■ラビッド (監督:デヴィッド・クローネンバーグ 1977年カナダ映画)


『ラビッド』である。兎がぴょん。それはラビットである。ファミコン。それは16ビットである。そうではない。ラビッドとは凶暴な、とか狂犬病の意味なのである。デヴィッド・クローネンバーグが1977年に撮った映画長編第2作、それがこの『ラビッド』なのである。
お話はですね、えーっと、バイクで事故った女子が特殊治療の皮膚移植受けたら何故だか吸血鬼になっちゃう、という訳の判んないもので、さらに血を吸うのが口ではなくて、脇の下から肉の突起が出てそこから血を吸っちゃう!私吸っちゃうの!というなおさら訳の判んないものなんですよね。
だいたいですね、皮膚移植で吸血鬼、ここまでは許しましょう、なんか科学が暴走で医学が狂気で文明が警鐘な感じじゃないですか。ロメロのゾンビは資本主義社会への痛烈な批判なのだッ(キリッ)!って言ってるみたいなね、リベラルかつ嘘くさい理屈と膏薬を貼りまくることは幾らでも可能なわけなんですが、そんなことより「実はアタシ…脇の下から血を吸っちゃうイケナイ娘なんです…」ってェのは、いったいなんなんですか、これは。そもそも最初粗筋読んでね、「脇の下から血を吸う」って、ホラーとして怖いのか?と、ブラインドの隙間から差し込む夕日に目をそばめながら(もちろんテーマソングは「太陽にほえろ愛のテーマ」)、思ったものですよ。
そんなことを思いつつビデオレンタルで観たのが遥か昔。実際観てみると、単なるヴァンパイア・ストーリーの枠に止まらない薄ら寒い気色悪いお話だったのを覚えています。この「○○の枠に止まらない」というのと、「薄ら寒い気色悪さ」というのが、実はクローネンバーグの基本なんですね。
「○○の枠に止まらない」っていうのは、クローネンバーグって、発想が変、ってことなんですね。要するに変態なんですねこいつ。「薄ら寒い気色悪さ」っていうのは、いつもカナダのバンクーバーで撮ってるからそりゃ寒そうだろ、ってことですね。まあ随分単純化してしまいましたがそれでいいんじゃないかと思いますね。クローネンバーグは難しく語ったら負けだと思ってますから。
で、この間、『デヴィッド・クローネンバーグ DVD-BOX』というのが出たので買っちゃったんですよ。収録されているのはこの『ラビッド』と『シーバーズ』の2枚で、たった2枚なのにDVD-BOXというのはどうなんだ?とは思いますが、2作とも観たのが随分昔だからまあいいだろうと。
そういう訳で久々に『ラビッド』再見しましたがやっぱり面白かったですね。で、いまさら気付いたんですが、脇の下の吸血部分、これが体の中に収納されている時は肉の裂け目になってるんですが、これどう見ても「オ○コ」なんですね。さらにその「オ○コ」から飛び出す吸血突起、これもどう見ても「チ○ポ」なんですね。要するに『ラビッド』って、「オ○コからチ○ポが出て人の血を吸う」という、頭のクラクラしそうな発想で作られたホラー映画というわけなんですね!いやあやっぱ変態の考えることは違うなあクローネンバーグ兄ィ!
それとあとですね、この映画の主演であるハードコアポルノの女王マリリン・チェンバースさん、いやあ今見てもそそられますねえ。なんかこう、冷たい感じがいいですねえ。映画でも、最初は出し惜しみしてますが、徐々に上着から乳首透け→オッパイポロリ→全裸、という具合に見せてくれております!素晴らしいなあ!もうこのマリリン・チェンバースさんが気に入ってしまい、彼女の出世作であるハードコアポルノ『グリーンドア』のソフトをどうにかして入手できないものかと深夜だというのに小一時間ほど掛けてじっとりした目つきをさせながらネットを彷徨っていた事はナイショだよ!
http://www.youtube.com/watch?v=aUNQmTiiLs8:movie:W620

ラビッド [DVD]

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デヴィッド・クローネンバーグ DVD-BOX

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