なにしろ監督がダリオ・アルジェント。冒頭から、惨殺死体→毛皮工場→下劣さを撒き散らす主人公の毛皮商→ヌードダンサー→ストリップ小屋の赤い壁→映画『ホステル』の拷問部屋を思わせる小部屋→ダンサーに言い寄り拒絶される主人公…といった感じの、淫靡で下品で死臭のするカットが矢継ぎ早に繋がれてゆく。テンポいいね。不穏さを煽るこの描写は、ここで何が起こるのか早く知りたくなる演出だよね。物語は「呪いの毛皮」を巡るお話なんだが、その後も手を替え品を替ええげつないぶっ殺し方のスプラッタ描写がてんこ盛りで、やる気満々のアルジェント監督だ!やっぱりイタリア人はくどくていいわ!ただ、惜しむらくは、肝心の「呪いの毛皮」の、その呪いの原因が、なーんだか説得力が無い事なんだよな。逆に言えば「理由なんかどうでもいいからオレは血飛沫ピューピュー言ってる映画を撮って撮って撮りまくりたいんだあああ」という監督の方針なのかも判らん。今回の《13 thirteen》シリーズの中でもなかなか見せる作品である。
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