時をかける少女

時をかける少女 通常版 [DVD]

時をかける少女 通常版 [DVD]

映画『時をかける少女』の本質とは「ピュッ!」「ゴロゴロッ!」「ドカンッ!」である。飛んで転がってぶつかるのである。大変元気で宜しいと思う。年寄りに真似できないのはこの無鉄砲さと闇雲な元気さだからな。そしてその合間を第二時性徴期の子供同士のいじらしい性的憧憬がもやもやふわふわと漂っているのである。あとはえーっと…うう〜ん、穢れたオトナになっちまったオレとしてはそれ以上の感慨を抱けないのであった。物語的には「3つのお願い」を聞いてくれる魔術アイテムで自滅する人間の物語、W.W.ジェイコブズの短編『猿の手』的なアイロニーを感じたが、それ以上の見所は無かった。なにしろ時をかけることも少女にもあまり関心が沸かないのらしい。”時かけ”ファンの皆さん、年寄りの感想なんてこんなもんだ、悪気があるわけではないので許せ。
時をかける少女』は筒井康隆原作の…などと言うまでも無い有名な作品であるが、この作品に注目が集まるきっかけとなった1972年製作のNHK少年ドラマシリーズ『タイムトラベラー』をオレはリアルタイムで観ていたりするのである。当然続編も観た。勿論自慢である。当時は撮影したビデオテープに重ね撮りして製作していた為、映像として残されていないというのが本当に惜しまれる傑作であった。(マニアの方が録画した作品の一部が現存しており、それが製品化されているという話は聞いたことがあるが。.)大林宣彦監督の映画『時をかける少女』も好きな作品だ。あれもTVを録画したビデオを繰り返して観ていた覚えがあるなあ。