あんぺい、棒ダラ、えびいも

先日は京都の錦市場にちょっと触れましたが、関西の食文化ってオレには結構未知のものがあったりしますね。探せば数あるでしょうが、錦市場を歩いていて「おや?」と思ったのは練り物関係かな。「関西には”ちくわぶ”がない」という話は聞いたことがありますが、確かにない。でもお店を覗くと”あんぺい”という具材が置いてあるんだね。これって”はんぺん”の訛ったものかな?と思ったのだけれど、形などが微妙に違う。後で調べるとやはり違うものだった。

良く『あんぺい』と、関東で言う『はんぺん』を同一のものと誤解されてる方も多いのですが、(大阪のかまぼこ屋でさえ、ちゃんと説明できる人が少ない。)『あんぺい』は魚のすり身だけを丁寧に柔らかく練り上げ蒸したもの。その出来上がりはコシと弾力のある「ツルン」とした滑らかさと、瑞々しい柔らかさが身上。材料の魚も大きく、鮮度の良い白身魚しか使えません。対して『はんぺん』は、山芋などの粉をすり身のつなぎにふんだんに使って軟らかくしますので、「ふわふわ」とした仕上がり。材料もあまりこだわりなく作れます。
http://www.kamabokoya.jp/kisetsu.htm

もうひとつ目に付いたのは”棒ダラ”。魚の鱈の乾物なんだけど、これがなぜか八百屋に売っている。しかもでかくて高い。(¥5000ぐらいした)最初は酒のツマミみたいな物かな、と思ったけれども、やはり何かの食材として使うのかな?知人に聞くと「あんまり食べないなあ。」との返事。で、調べてみました。

棒ダラは、室町時代より北海道から京都に運ばれ、えびいもと共に煮こんだ「いも棒」という京都の名物料理になりました。
http://www.iris.or.jp/~ysijouci/fish_info_tara.html

「いも棒」…”えびいも”と”棒ダラ”だからですか…。え?”えびいも”?これも知らない。

親子兼用種。唐(とうの)芋とも呼ばれる。形がエビににているので、えびいもと呼ばれることのほうが多い。京都では、高級品として扱われ、ホクホクし、煮くずれしにくいのが特徴。京都の伝統料理に、えびいもと棒ダラを煮たものがある。
http://72.14.203.104/search?q=cache:vaL264pBt1wJ:www.ofukuro-aji.net/syun/yasai_satoimo.html+%E6%A3%92%E3%83%80%E3%83%A9%E3%80%80%E3%81%88%E3%81%B3%E3%81%84%E3%82%82&hl=ja

へえ。面白い。でも…エビに似てますかね?この棒ダラとえびいもの煮たもののレシピを調べてみました。名前の”炊いたん”という響きも何か新鮮。
《棒ダラとえびいもの炊いたん//http://www5.hokkaido-np.co.jp/pocket-book/kyoto/a04.html

ああ、棒ダラを使ったスペイン料理なんてのもある。

サン・フェルミン祭でわくパンプロナで欠かせない家庭料理は、ビーフ・シチューと棒ダラをもどしてほぐし、トマト、ニンニク、オリーブ油等で煮こんだ「アホアリエロ」(Ajoarriero)です。
http://www.spaintour.com/oet2004/gourmet/gourmet.shtml

干した鱈が食材、というのは、関西の押し寿司などに共通する、保存食としての魚介類、という側面があるのかもしれないね。確認はしてませんが、結構歴史の古い料理ほどそうなのかも。あと確か”煮貝”なんてのもあったが、あれはどこの地方だったっけかな。