前回まで『鬼太郎茶屋』で盛り上がっていたが、水木しげるは決して妖怪漫画ばかり描いている漫画家ではない。また、妖怪漫画しか知らない方には水木が子供向けキャラクターばかり描いている漫画家のようなイメージがあるかもしれない。確かに『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめとする妖怪漫画は水木の代名詞であり『河童の三平』や『悪魔くん』と並んで水木の真骨頂ではあるが、彼自身の思想背景や生き方・信条を知り、そしてストーリーテリングの妙を味わえるのは彼の描く伝記漫画にあるのではないかと思う。今回は水木氏の膨大な作品群の中からそんな伝記作品をピックアップしてみたい。
■劇画ヒットラー
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2003/02/01
- メディア: 単行本
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水木にはこのような戦記物も多い。『コミック昭和史(全8巻)』『総員玉砕せよ!』『ラバウル戦記』など枚挙が無い。
■猫楠―南方熊楠の生涯
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1996/10/01
- メディア: 文庫
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■劇画近藤勇―星をつかみそこねる男
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1989/07/01
- メディア: 文庫
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■東西奇ッ怪紳士録
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/12/01
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「二笑亭主人」。渡辺釜蔵なる大正の男がなにかの啓示があったのかなかったのか、突然作り出したその家は「二笑亭」と呼ばれた。「建物」という概念を無視した奇怪そのものの家屋は、彼自身の妄想の賜物以外何物でもない。しかし自らの妄想に浸るときこそが人が一番幸福なときなのかもしれない、と思わせる。
(参考:『二笑亭綺譚』http://www1.odn.ne.jp/~aac65140/books/nisyotei.htm)
「フランスの妖怪城」。フランスのオートリーブに『シュヴァルの理想宮』と呼ばれる奇怪な宮殿がある。これは郵便配達人シュヴァルが生涯を賭けたった一人で作った幻想建築なのだ。これもまたオブセッションについての物語であるが、先の「二笑亭主人」同様、幸福とは何なのかについて考えさせる。
(参考:『シュヴァルの理想宮』http://www.atomictaro.com/etc/cheval/cheval.htm)
■神秘家列伝(1)〜(3)
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/08
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- 作者: 水木しげる
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- 作者: 水木しげる
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