人喰猪は公民館以外も襲撃していたッ!?〜映画『人喰猪、公民館襲撃す!』

■人喰猪、公民館襲撃す! (監督:シン・ジョンウォン 2009年韓国映画


お〜いみんな、この映画の内容を説明するとですね、ええとなんと人喰猪が公民館襲撃する映画なんですよ!というタイトルで映画の内容を全部紹介してしまった「そのまんま感」溢れる動物パニック映画でございましてですね、まあ実際は公民館を襲撃した後も舞台を変えて物語は続くので全部紹介してしまっている、とは正確には言い難いといえば言い難いのですが、「公民館」というどことなくローカルな響きを持ち込むことでこの映画の舞台である韓国の辺鄙な田舎町の田舎町特有の特殊性も暗に想像させている、そう言った意味でですね、単なる「人喰猪、大襲撃!」みたいなタイトルとは違うサムシングをこのタイトルは観るものに与えているわけなんですよ、まあお話のほうは冒頭から「ああ、要するに猪でジョーズやりたかったのね」と誰でも簡単に分かっちゃうような筋運びなんだけど、その「ああ俺簡単に分かっちゃった」と鼻高々な気分をですね、その後の物語がベキッとへし折ってくれるんですよ、それというのは、出てくる登場人物が基本的になんか変な連中ばっかりでね、なんか変どころかかなり変なヤツも結構いるし、監督は真面目に描いたかもしれないけど観ているこっちには変としか思えない、といういわゆる製作者想定外の変さ、もありましてですね、そういうのがゾロゾロゾロゾロ現れるもんですからおいおいこりゃあジョーズとは似て非なるものじゃないか、というかこの人たちメインストーリーになんか関係あんの?変な雰囲気出したいだけで出てきてるんじゃないの?それとも監督真面目に撮ってるの?と観ていて訳が分からなくなってくるんですけどね、この変さ、というのがこの世に1万本ぐらい存在する単なる動物パニック映画とは異なったスメルを醸し出しているんですね、そこは韓国だけにキムチ的なスメルということができるかもしれませんがね、しかしこの変な人たちに押しやられて人喰猪はというとなんかしょぼい、単に育ち過ぎの猪にしか見えないので全然怖くない、むしろこいつぶっ殺して猪鍋作ったら何人前出来るんだろうなあと映画を観ている最中ずっと思わせてしまう程度に恐怖感皆無、そもそも猪だけに猪突猛進してしまい簡単に逃げることが出来そう、そう思わせてしまうぐらい動物パニック映画の主役としては徹底的に役不足、ここはやはり工場の汚水や原発から漏れた放射能で変異したミュータント猪とかそういうはったりをかましてもらいたかった、だから猪追跡が中心となる中盤からはちょっと退屈だった、まあしかしそれ以外は変な人が観られて面白かった。

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