最近聴いたエレクトロニック・ミュージック

■Borderland: Transport / Juan Atkins & Moritz Von Oswald Present

Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland: Transport

Juan Atkins & Moritz von Oswald Present Borderland: Transport

Moritz von Oswaldといえばなにしろダブテクノ・ユニットBasic Channelだろう。催眠的にループし続けるダブ音響は発表当時唯一無二の凄みを見せていた。だがMoritz von Oswald本名での活動は、オレにはどうもピンと来なくて、一応聴いてみたけどあんまり面白くなかったんだよな。さて今作はデトロイト・テクノ・プロデューサーJuan AtkinsとのタッグによるユニットBorderlandのアルバム第2作目となる。1作目はそこそこ面白かったが、プロデューサー両者のアイディアの融合がさらにスムーズになったのか、今作はさらに素晴らしく面白い。Moritz von Oswaldの催眠ダブにJuan Atkinsのテクノ・フィーリングがいい具合にトリートメントされ、絶妙の緊張感を生んでいるのだ。今回の大推薦盤。 《試聴》

■DJ Koze Presents Pampa, Vol. 1 / DJ Koze/Various

PAMPA VOL. 1

PAMPA VOL. 1

ドイツ/ハンブルグを拠点に活躍するプロデューサー、DJ Kozeはオレのお気に入りのDJの一人で、アルバムが出たらなにはともあれとりあえず買うことにしている。DJ Kozeはあの独特の明るさとカラフルで茶目っ気ある音が好きなんだよな。このアルバムはそのDJ Kozeが運営するレーベルPampaの初のコンピレーション・アルバムだが、DJ Koze同様、カラフルでバリエーションに満ちたアーティストの作品が並ぶ。全19曲あり、お買い得でお腹いっぱい楽しめる作品になっている。これはお勧めです。 《試聴》

■The Best / Omar S


デトロイトはテクノだけじゃなくハウスもイケる。アンダーグラウンドデトロイトハウス・プロデューサーOmar Sはその中でもオレのお気に入りの一人で(とか言って他に何人も知ってるわけでもないが)、アルバムが出たらいつも買うようにしている。今回の新作タイトルは『The Best』。しかしこれ、ベスト・アルバムって意味じゃなくて「オレちゃんのベストなアルバムが出来上がったぜHEHEHE」といった意味なのらしい。内容はタイトルに負けず、噛めば噛むほど旨みが染み出してくる実にアンダーグラウンドハウス・ミュージックだ。 《試聴》

■Kerrier District 1 / Kerrier District (Luke Vibert)

KERRIER DISTRICT (RE-MASTERED) (IMPORT)

KERRIER DISTRICT (RE-MASTERED) (IMPORT)

Wagon ChristやPlugといった名義でも活躍するコーンウォール一派のプロデューサー、Luke Vibert。彼のディスコ・ミュージックに特化したプロジェクトがこのKerrier Districtとなるのらしい。ディスコとはいえそこはエレクトロニカと融合したアップトゥデイトな解釈が加えられている。というかエレクトロなディスコってことで気軽に楽しめばいいと思う。 《試聴》

■Analog Grooves (Collected) / Eduardo De La Calle

Analog Grooves

Analog Grooves

『Analog Grooves (Collected)』はスペインのテクノ・プロデューサー、Eduardo De La CalleがこれまでリリースしたEPに新曲とレア音源を加えアルバム化したもの。全体的にインテリジェントな作りで、ジャズっぽい曲やマニュエル・ゲッチングの『E2-E4』をリアレンジした曲などが並ぶ。派手さはないのだがするする聴けるので流しっぱなしにしておくのにいい。『Blade Runner』というタイトルの曲もあるが映画とは関係ないんだろうな。 《試聴》

■Dots & Pearls III / Daniel Stefanik/Various

DOTS & PEARLS 3 (MIXED BY DANIEL STEFANIK)

DOTS & PEARLS 3 (MIXED BY DANIEL STEFANIK)

いつもの作業用。まあ要するにCOCOONでありCOCOONのJD Mixアルバムであり、COCOONなんだからこれでいいじゃないか、という音である。実はCOCOON意外と好きなのである。 《試聴》

■Omonimo / Dino Sabatini

OMONIMO

OMONIMO

イタリアのディープテクノ・プロデューサーDino Sabatiniの2nd。前作はトライバルな作風だったが、今作は柔らかい曲調のアンビエント・ハウスで、あたかも映画音楽を聴いているような情景感溢れる音だ。結構気に入ってます。 《試聴》

■Utility / Kowton

Utility

Utility

UKブリストルのベース・ミュージック・プロデューサーJoe CowtonによるプロジェクトKowtonの1stアルバム。ベース・ミュージック臭さが無く、かといってすっきりしたテクノ・ミュージックというわけでもないハイブリッド・タイプなミニマル・ベース・テクノ。 《試聴》