■ピザボーイ 史上最凶のご注文 (監督:ルーベン・フライシャー 2011年アメリカ映画)
- この『ピザボーイ 史上最凶のご注文』、快作『ゾンビランド』の監督ルーベン・フライシャーが、『ソーシャルネットワーク』のジェシー・アイゼンバーグを主演にして製作したコメディ・アクションなんですね。ジェシー君は『ゾンビランド』にも主演していましたね。『ゾンビランド』もジェシー君もついでに言っちゃうとピザも大好きなので観に行くことにしましたよ。
- お話はしがないピザ配達員が悪党に拉致られ、爆弾を体に巻きつけられた挙句銀行強盗を命じられちゃう、というもの。現実でもこんな怖いお話がありましたね。
- ピザ配達員を演じるのはジェシー君。おかしなインド人の友達がいて、その美人の妹さんに惚れていますが、あんまりうまく行ってないようです。
- 一方、悪党を演じるのは『トロピック・サンダー/史上最低の作戦 』や『デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜』にも出演しているコワモテ顔のコメディアン、ダニー・マクブライト。ダニーさんは宝くじで億万長者になった親父さんの遺産を狙いぶっ殺そうと企むボンクラ息子。このボンクラ息子、爆弾マニアの友人がいて、この爆弾を使い、その辺のヤツを拉致して銀行強盗をさせ、そのお金をもとに殺し屋を雇って親父さんを殺そうと計画するんですね。…なんだか回りくどいヤツですよね。
- というわけで拉致され爆弾腹巻にされたジェシー君、嫌がるインド人の友達を仲間に引き入れて銀行強盗に乗り出す、というわけです。まんまと強盗は成功しますがここからドタバタが始まるんですね。
- ただここまでの流れが随分直線的なんですよねえ。なんだかヒネリが無いんです。
- インド人の友達はいつもなんだかわあわあ喚いていて可笑しいといえば可笑しいんですが、「友情」以外でジェシー君の役に立ってないんですよ。まあ役立たず、というのもいいのかもしれませんが、インド人である必然性もあんまりなくて、何かこの友人ならではの逆襲方法とかあってもよかったんじゃないのかな。
- ジェシー君も『ソーシャルネットワーク』並みに早口で、なんだ『ソーシャルネットワーク』のあの早口は役作りじゃなくて素なのか、と思いましたが、逆にその早口振りからもっと頭の切れるどんでん返しでもしてくれるのかと思ったら、普通にボンクラなんですよね。この役、ジェシー君じゃなくてセス・ローゲンあたりがやったほうが駄目なボンクラのドタバタ度が高まってよかったような気がしますね。
- 『ソーシャルネットワーク』といえば劇中ジェシー君が「フェイスブックはもうやってない」なんていう台詞を吐いてちょっと可笑しかったです。
- 銀行強盗が成功してからお話は急展開を迎えることは迎えるんだけど、二転三転というよりは一転ぐらい?ここでも捻りがあんまりなくて、やっぱり想像の範囲内の展開なんですよねえ。
- 巻き込まれ型の物語は、巻き込まれた側がどう反撃に出るかが醍醐味なんですが、なんだか「お!そう来たか!」というびっくりするようなものがないんですよ。
- 結局最後まで直線的なお話で、脇道に逸れたギャグで笑わせてくれるでもなく、悪党連中は単に下品なだけだったし、これはジェシー君が出てなかったら案外DVDスルーな映画だったんでしょうねえ。
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