『リトル・ブリテン』は大英帝国に巣食うお下劣連中を描くコメディ番組だった!?


イギリスのTVコメディ・シリーズ『リトル・ブリテン』のDVDを観ましたよ。
いやあホモネタ・ゲイネタ・女装ネタのオンパレードでしたね!
他にも人種差別・デブ差別・障害者差別のてんこ盛りです!
あとゲロ吐きまくり婆さんとか百貫デブ女のヘアヌードとかも出てきます!
ホンット、サイテーですねこんなの観て喜んでいるようなヤツは!うううしかし面白かった…。
この『リトル・ブリテン』、マット・ルーカスとデヴィッド・ウォリアムスのコンビが脚本執筆・製作・出演し、イギリスBBCで2003年から2006年の第3シーズンまで放送されたコメディ番組で、2008年にはアメリカに渡り『リトル・ブリテンUSA』というタイトルの番組も制作されています。日本発売のDVDはシーズン1のVol.1とVol.2、シーズン2のVol.1とVol.2、そして『リトル・ブリテン スペシャル 世界の国からこんにちは』の5本で、残念ながらシーズン3と『リトル・ブリテンUSA』の国内リリースは今の所無いようですね(出せ出せ出してくれ)。また、これだけお下劣な番組なのにも係わらず、国際エミー賞英国アカデミー賞など様々な賞を受賞しています。
内容はマットとデヴィッドの二人が様々なキャラを演じ分けた短いコントが幾つも繋がっているというもの。そのキャラというのがどれもこれもとてつもなくしょーもない人たちばかりで、これ放送していいのか?と思っちゃうようなスレスレの危ないギャグを連発する。お下品好きのオレがヒヤヒヤするぐらいだから相当なものだが、逆に言えばこういったギャグを堂々と放送しあまつさえ受け入れられるイギリスってスゲエなあ、とさえ思わせる。このニッポンじゃ、まあ無理でしょう。イジメだ!差別だ!低劣だ!残酷だ!食べ物を大事に!とか大騒ぎするんでしょうなあ。ではこのマットとデヴィッドのコンビがどんなキャラを演じるのかちょいと紹介してみましょう。
●村でただ一人のゲイ・ダフィド
「ボクは村でただ一人のゲイだ!誰も理解者がいない!」とか言ってるくせに別のゲイが来ると途端に弾圧を始める!

●首相秘書・ゲイのセバスチャン
オネエ言葉を連発しながらいつも首相にクネクネとまとわりつき、首相に近付くものは男だろうが女だろうが熾烈な嫉妬心を燃やす!

●"レディー"こと女装のエミリー
ビクトリア王朝風のドレスに身を包み「私はレディーなの!」と連呼しながら町の住民を困惑に陥れる!

●ヤンキー娘ヴィッキー
超おデブのヤンキー娘、「ってゆーかー、ってゆーかー」とバカ丸出しの喋り方を延々繰り返し周囲を煙に巻き素行の悪さを誤魔化しまくる!

●車椅子アンディーと友人ルー
車椅子生活のアンディーは友人ルーに我がままばかり言って困らせるが人のいいルーはいつも我慢して無理を聞く。でもアンディーは実は全然健常者だった!

●ゲロおばさんマギー
市民ボランティアの上品なおばさんマギーはバザーで食ったクッキーを「これ美味しいわね?誰が作ったの?」などと質問するが、作ったのが外国人や同性愛者と知ると滝のようなゲロを吐きまくる!

●裸族ババア
ホテルの料金を踏み倒し、催促しに来た支配人には「私が欲しいのね?」とその肥満した醜い体を露わにして迫り狂う!

…その他その他、目くるめくようなアブナイ人たちでいっぱいの『リトル・ブリテン』であります。

ちなみにタイトルの「リトル・ブリテン」は大英帝国=「グレート・ブリテン」に引っ掛けてあるわけですな。言ってみれば"小英帝国"、「デカイことほざいてるけど実際はちっちぇえ国だよな全く」という皮肉がそこに込められているんでしょう。マイノリティ差別ネタ連発だから品行方正で生真面目な方は激怒されるかもしれないけど、その笑いはあくまで突き放したクールなものであり、差別や偏見はよくないといいながら、実際は差別にも偏見にも臭いものには蓋をし見て見ぬ振りをしているような状況こそを笑っているんじゃないのかな。確かに下品でお下劣なギャグだけれど、そこはかの『モンティ・パイソン』を生み出した"大英帝国"の独特の笑いの流儀があると思うのですが如何でしょう。ちなみにホモ・ゲイ・女装ネタの多いこの番組だけど、主演のウィリアムスマット・ルーカスは自分がゲイである事をカミングアウトしています。彼は笑いをとることで逆に自らの存在証明をしているのではないでしょうか。

Little BRITAIN/リトル・ブリテン セカンド・シリーズ Vol.2 [DVD]

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