男たちの恋愛強化月間2本立て!〜その1『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』

■男の為のラブコメディ2本立て!?

この正月は新宿ミラノへ「来年こそはハッピーイヤーだ!!男たちの恋愛強化月間2本立て!?」という触れ込みのラブコメ2本立てを観に行きました。2作のタイトルは『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』と『寝取られ男のラブ♂バカンス』。
2作ともあの『40歳の童貞男』の監督、ジャド・アパトーが絡んでおり、『無ケーカク〜』では監督、『寝取られ〜』ではプロデュースを務めたりなんかしております。日本じゃ「なんじゃこりゃ?」ってな映画かもしれないが、実はアメリカでは2作トータル200億円の興行成績をブチ立てたヒット作。これはバカアホ映画好きのオレが見逃す手はない!ということで正月3日に観に行ってまいりました。こんなカッコイイ2本立てを企画した新宿ミラノさんにはさすがだよ!スゲーよ!という謝辞を送りたいです。
いやーしかしさすが2本立て、11時半から観始めて終わったのが4時半頃という大層なボリュ−ム。実は最近そんなに暇が無いので観に行くのはちょっと覚悟が必要だった!では今回は『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』のほうを紹介してみましょう。

無ケーカクの命中男/ノックトアップ (監督:ジャド・アバトー 2007年アメリカ映画)


バカで下品で無職でデブで貯金も無いダメダメ男ベン(セス・ローゲン)はバカ仲間たちと一緒にしょーもない共同生活をして過ごしていた。そんな彼だがある日クラブでナンパしたイケてるキャリア・ウーマン、アリソン(キャサリン・ハイグル)と奇跡的にベッドインしてしまう。しかし数ヶ月後その彼女から「出来ちゃった…」という報告が!?

ダメでバカだから何をどうしていいのかさっぱり分からない主人公と、きちんとした家庭で生活していたしっかり者のヒロインとが、子供を出来たことをきっかけにあれやこれやの騒動に巻き込まれるラブコメディ。…う〜んしかしコメディなんだろうかなコレ…。兎に角出来ちゃった以上はきちんと生んで二人で育てる事を約束しあう二人だったが、そもそも主人公はもとからダメダメなのであり「きちんと」とか「約束」とか言ってはみたものの、言うは易し行うは難し、しっかりしようとしつつもなかなか行動に移せない。そして彼女からはサイテー男呼ばわり…。ああ…笑えない…同じダメバカ男として身につまされ過ぎて笑えない…。いや、頑張ってはいるんだ!ただあんまり頑張った事がないから空回りしちゃうんだ!それで時々ボロが出ちゃうんだ!だから…だからそんなに責めないでくれ…(誰に言っている)。

さらに「子供が出来て結婚するのは悪くない。でもねー、結婚生活というのもなかなか大変なものでさー…」というヒロインの姉夫婦が主人公カップルの傍であれやこれやの愁嘆場を演じるから気が気じゃない主人公。しまいにはその義理の兄とつるんで「女ってホンット男のことを分かっちゃいないんだよなーー!」と空しいバカ騒ぎ…。ああ分かる…その気持ち分かる…そしてそれが負け犬の遠吠えだということもしっかり分かる…。「じゃあ男は女の何を理解してくれているわけ?」という反論に一言も答えられないことも、もう頭百辺垂れたくなるほど分かる…。そして分かるけど行動に移せないという堂々巡り…すいません、ほんとうにすいません…(誰に謝っている)。

という訳でこの映画、出来ちゃった結婚を題材にしたコメディというよりも男と女の気持のすれ違い方を描いた映画だということもできる。製作者、案外マゾかもな…。そして、世間のバカでダメな男たちに、「オトコというのはなー、いつかは男を見せなきゃならないものなんだ!そういう覚悟をしっかりしとけ!」という耳の痛い映画でもある。いい歳こいていつまでもモラトリアムじゃないってことだ。ううんしかしこれじゃあ全然笑えないぞ!あ、いや笑って誤魔化そうとかそういう意味じゃなくてですね…(誰に言い訳している…)。