ゴーストライダー (監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン 2007年 アメリカ作品)

アメリカ西部の小さな町で主人公ジョニー・ブレイズは親父と一緒にバイクスタントショウをやって暮らしていたのだが、ある日ピーター・フォンダ演じる悪魔となんかの間違いで契約を結んでしまう。そして10数年後、一流スタントとなったジョニーはその悪魔に再び出会うことになる。「いよいよわたしとの契約を果たしてもらう時が来た…」と。

映画館で予告篇観たときは「しょぼそうだなあ」と思いパスするつもりだったんだが、全米興行収入が2週連続1位などと聞き及び「これはなにかあるのか?」などと思って観に行っってしまったのであった。しかし…観てみるとやっぱりお馬鹿映画ではないか!しかもしょぼさの烙印を押されているマーベルヒーロー映画『デアデビル』の監督だということをチェックするのをすっかり忘れていた!あとニコラス・ケイジのノリが妙すぎる!『ワイルド・アット・ハート』並みの怪演だ!でもTVレポーター役のエヴァ・メンデスが色っぽかったのでまあいか!

なにしろ悪魔との契約履行の内容と言うのが、増長して「地上を支配するんだよオラオラ」などとアツクなってる悪魔のその息子をやっつけることだったりする。…ってかこれって単なる親子喧嘩じゃないのか?で、そんな家庭の事情に駆り出されたゴーストライダー君であるが、何故か出動の途中でチンピラを見つけると「悪人は許さないのだああ」などと任務とはまるで関係ない正義の鉄拳を振るったりする。このキャラはいつどこで獲得したんだゴースト君。ニコラス・ケイジの演技は意識的だと思うがどこまでもコミックのノリで笑いと言うより失笑に近いお惚け振りを見せ、何がしたいんだお前、と映画の間中突っ込みたくてウズウズしていたオレであった。狙ってたんだよね?ね?だいたいニコラス君は今回の映画化に先立ってあの寂しい頭に増毛したらしいが、ゴーストライダーに変身すると骸骨だけにツルッパゲになってしまう訳で、なんか努力が報われていないような気がするのが涙を誘う。

あとゴーストライダーに変身するとバイクのあまりの超スピードの為に街中がぶち壊されまくりだ!敵役の悪魔さんご一行でさえこれに比べればド田舎のちゃちい酒場を申し訳程度に襲っただけで、ここまでメチャクチャなことはしてないぞ!いいのかゴースト!世界を救うとか言いながら君自身が世界を破滅に導いてるぞ!悪魔より君のほうが警官に囲まれてるじゃないか!おまけに一回牢屋に収監された時一緒に入ってるチンピラ皆殺しにしてたが、ホントにそんな悪い奴ばかりだったのか?こと危なさではゴースト君のほうが悪魔さん御一行よりうわてだった、という訳だが、ん…?そういえばピーター・フォンダ扮する悪魔メフィスト、君は出てきただけでなんもしてないような気が…。悪魔のくせに立場弱すぎ…。

こんな映画がなんで全米興行収入が2週連続1位だったのかつくづく謎だが、やっぱり”ドクロだぜ!”とか”バイクでバリバリだぜ!”とかだと敏感に反応する方達がアメリカにも多数いらっしゃるということなのかしらん…それって…アメリカの珍走団系の方たち?

ゴーストライダー トレイラー