Sunset Scavenger /DJ Zeph   ASIN:B0001ZMX04

WIRE04は楽しかったが、テクノの電子音に曝され過ぎたので、少し違う音が聴きたくなってきた。という訳でこのDJ ZephであるがHipHop系なんである。ジャンルとしてのHipHopは、実はよく判らない。最近のロック・ミュージックがよく判らないのと同程度に判らない。これは演るほうも聴くほうも若いからなんだろうなあ、と思うことにしている。多分HipHopは黒人にとってのロックなんだろうなあ。
しかし、いわゆるターンテーブリストという人たちがHipHopの中には存在し、彼らの作る音楽は、サンプリングによるモザイクのような音を作っていた一時期のHipHopを思わせ、そのOTAKUなニュアンスがオレは結構好きだったりする。いわゆるモンタージュ理論めくけれども、彼らの作っているのは音のコラージュではあるが、本質は音と音を組み合わせて化学変化を楽しむ「遊び」であり、その楽しさが(音自体はヘヴィーな物だけれど)ターンテーブリズムの醍醐味でもある。
このDJ Zephは、こうしたブレイク・ビーツ、アシッド・ジャズの流れを汲むターンテーブリズム・アーチストの一人。DJ Shadow等と比べるとエレクトリックな処理が多く、どことなくクリック・テクノを思わせる一辺も。しかしその本質はやはりファンキーだしジャジーな血の流れを感じるインスト・ヒップホップである。