クマー!!ロシア製スーパーヒーロー映画『ガーディアンズ』の本質はクマにあった!?(のか!?)

ガーディアンズ (監督:サリク・アンドレアシアン 2017年ロシア映画

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冷戦期のソ連で遺伝子操作により超人となったまま姿を消していた者たちが、巨大な危機に立ち向かうため再び集結した……ッ!?というマーベルやDCも真っ青のロシア製のスーパーヒーロー・ムービー『ガーディアンズ』です!まずは4人の超人さんを紹介してみましょう!超人さん、いらっしゃ~い!

超音速で動き敵をぶった斬る剣の達人、ハン!

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念動力で石を操る賢者、レア!

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体を透明化することができる美女、クセニア!

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そしてクマった時はクマに変身しちゃうニクいヤツ、アルスス!!

「クマ~~~~ッ!!」

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そんな彼らの敵となるのが電子機器を思いのまま操る悪の科学者クラフト!

家電を操作する時にリモコンいらなくて便利だね。

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……という、X-MENもびっくり」「ていうかファンタスティック・フォーなスーパーヒーローたちが地球を守るために戦う映画、それがこの『ガーディアンズ』なんですね!いやあ、メッチャ面白そうだよねッ!?面白そう……じゃないっすか?(自身なさげに)

ストーリーは説明するまでも無いほど単純そのもの。冷戦下のソ連、国家の威信をかけて超人部隊を生み出した天才科学者クラトフが暴走し、自らも超人となり研究所を爆破して失踪、生み出された超人たちも散り散りとなる。そして50年後、ロシア崩壊を目論み破壊活動を繰り返すクラフトを倒す為、政府は超人たちを集結させ《ガーディアンズ》を結成するのだ!……でもなんで50年も待ってたのクラフトさん……?

なにしろこの作品、上映時間が89分と超絶的な短さのため、物語がかっ飛ばすかのようにポンポン進んでゆく!4人のヒーローが一人づつ集まってくるシーンなんざみんな何の逡巡も葛藤も無く「クラフト倒すの?行く行く行っちゃう!」と二つ返事!さて集まったら集まったで速攻の速さでクラフト退治に乗り出し、そして速攻でやられちゃう!3人のヒーローは拉致されちゃうんだがこれも速攻で助け出され、クラフトはクラフトで疾風の速さでモスクワを制圧、不気味な電波塔を建て「これでロシアはお終いなんだああ」と不敵に笑う!で、4人のヒーローは「あいつの居場所分かりやすいし」と懲りずにクラフト退治のリベンジマッチ!

……とまあこんな感じにテンポが速くて好感度高いわあ!どこぞのスーパーヒーロー映画みたいに2時間半ぐらい掛けてグジグジ悩んでグダグダ討論して時々青春したり愛を語ったり内輪揉めしたり挙句の果てに「善とはなんだあああ悪とはなんだあああ」とか始まっちゃったりするカッタりい展開が一切無いんですよ!この映画、あちこちで悪い評判も聞くけどオレは好きだなあ!大好きだなあ!オレ、『ガーディアンズ』の味方です(キリッ)。早くソフト出ないかなあ!すぐ買っちゃうぞ!そして何回も観ちゃうぞ!89分しかないからリピートに適してるじゃんか!あとヒーローたちのフィギュアも欲しいなあ!

それとこの映画の面白い所はヒーローたちがそれぞれかつてソ連国家の一部だったりロシア辺境の国から登場していることなんだよね。確かアルメニア(レア)、アゼルバイジャン(ハン)、シベリア(アルスス)、あと現ロシアのモスクワ(クセニア)からだったかな(うろ覚えなんで間違ってたらゴメン)。で、そんな彼らを統率するのが白人系ロシア人で、この辺の民族的構成は深い意味なんて何も無いと思うが(こんなアホアホ映画だし!)、顔付が個々に特徴があって面白かったんだよなあ。

そしてもうひとつ、この映画の見所だと思えるのは、(多分)ロシア製の兵器がいっぱい登場すること、それと、ソ連時代に建築されたと思われるいかにも共産国っぽい無意味にいかつくて巨大な廃墟や建造物が普通にドカーンと登場する所だな。なんかこう「奇界遺産」チックな面白さがあるんですよ。モスクワの街並みですらなんだか煤けていて味わい深かったなあ。ヒーローたちそれぞれのスーツや武器の造形も微妙に癖が強くて、そのあたりのデザインセンスもアメコミヒーローものには見られない部分が楽しかった。

そしてねえ、なによりクマに変身するアルススですよ!こいつ、上半身クマのビジュアルがインパクト強いんだけど、単に「クマ程度には強い」ってだけで、いやそれ確かに凄いけどそんなにスーパーなことなのか!?と思っちゃうし、さらに変身が進むと全身クマになるという驚くべき展開を見せるんだが、「いや、でも、クマだし!確かにクマ強いけど、でもクマだから!」と頭の中でモヤモヤとした奇怪な混乱が起こるんですよ!もちろんこのクマ化のビジュアルはCGですけど、最初見た時は「え、パディントン!?」とちょっと思ってしまったオレであった!しかし、この「クマ男アルスス」の時折見せるコミカルさがいいスパイスになっていて、物語がなおさら楽しかったよ! 


1/20(土)公開『ガーディアンズ』予告編