『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』は《時間の砂》を使って観ていた時間を無かった事にしてしまいたい映画だった!?

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 (監督:マイク・ニューウェル 2010年アメリカ映画)


この映画『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』なんですが、ペルシャっていうぐらいだから古代ペルシャ帝国が舞台なんですな。なんかこうアラビアン・ナイトでアラジンでシンドバッドで月のぉ〜砂漠ぉ〜な世界なわけなんですよ。だからすっごくエキゾチックな雰囲気を期待したんですが実際観てみると普通にアメリカ映画の匂いしかしてこなくて、こいつら格好だけはアラビアンだけど家帰ったらハンバーガー食ってコーラ飲んでんだろ!としか思えない所がある意味凄かったですな!

なにしろ製作が「大雑把な映画なら俺に任せろ!」のジェリー・ブラッカイマーで、配給が「映画はファミリー向け以外認めん!」のディズニーで、監督が「ハリポタ映画撮ったんだから箔ついてるでしょ?」のマイク・ニューウェルで、そして描かれるのがいにしえの異国の世界を舞台にしたファンタジー!アクション!ときたら、こりゃもう『パイレーツ・オブ・カリビアン』の夢よもう一度、というのが既に見え見えなんですが、これら全てが悪い意味で相乗効果を産んだひたすら大雑把でヌルくインチキ臭い映画に仕上がっておりましたよ!

だいたいなあ、平民のガキだった主人公が、"あんまり元気が良いから"王様に注目されて養子にされちゃって、その後成長して王族の血なんてなんにも流れてないのに「王子様みたいなモン」にされるのって、それって世襲制ギンギンなあの時代にありえるかあ!?その後主人公ダスタン(ジェイク・ギレンホール)含むペルシャの皆さんは「大量破壊兵器があるだとおお!?攻撃だあ!殺戮だああ!」とかわめきながら聖地を侵略するんだけど、いやあ、なんかどっかで聞いたような話だなあ!?んで、「やっぱり大量破壊兵器ないぞう!これは陰謀だったんだあ!」とかやってるんだが、アラブの国同士でこれやらせるってちょっと冗談キツくないっすかあアメリカ在住の関係者の皆さん!?しまいには「侵略しちゃったお詫びにお前ん所の王女と結婚しちゃるわ!わはは!」って、アホなのかこの映画は!?

そして問題の魔法のアイテム、《時間を戻せちゃうナイフ》!これ使うとほんのちょっと過去に戻れちゃうんですが、このアイテムのパワーの素になっている《時間の砂》、これを巡って今回様々な陰謀が巻き起こったというわけなんですね。で、陰謀の張本人である悪もん曰く、「この《時間の砂》を使って過去に戻って王様になるのじゃあああ!」ということなんですが、この時点でコイツ、王様はじめ王族殆どブチ殺しちゃってて、ってことはアンタ、いわゆるクーデター政権として既に王国の実権握ってるみたいなもんじゃん?ここまでヤル気まんまんだったんなら最初っから《時間の砂》いらねえじゃん?ってことはそもそも物語が成立しないってことになるんじゃねーの!?

ところでこの"プリペル"、アクション・ゲームを元に作られた映画なんですな。ですから映画の中でも主人公がゲームっぽく飛んだり跳ねたりしているのが見どころといっちゃあ見どころなんでしょうな。いやーオレもやりましたよこのゲーム。最初はAppleII用のゲームとして製作されましたが、あんまり面白いのであちこちのPC・コンシューマー機に移植されたんですな。オレはスーファミ版をなんとかかろうじてクリアしましたよ。↓はそのスーファミのプレイ動画です。

その後もシリーズは続いていて一応買ってはみるものの全然クリアできてません…。映画のタイトルと同じ『時間の砂』もやっぱりダメでした…。この間出たXbox360版も同様です…。ええ、ヘタレなんです…。

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 予告編


プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 オリジナル・サウンドトラック

プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 オリジナル・サウンドトラック