オレが高校生だった80年代頃っていうのは、丁度ポスト・パンク世代のブリティッシュ・ニューウェーブが華やかなりし頃で、オレもこれらの音楽をよく聴いていました。その中でも最高に流行ったのがブリティッシュ・スカ、通称「2トーン・スカ」のスペシャルズ。白黒の市松模様をトレード・マークとして、白人・黒人混成の文字通りツートーンなスカ・バンドでした。
スカはレゲエの前身ともなるリズムですが、イギリスへのジャマイカ移民がこれを持ち込み、パンク・ミュージックと合体することで、よりアグレッシブなビートとして結実したもの、これが2トーン・スカということが出来るでしょう。(当時のイギリスの社会情勢とスカとの関連性を考察したWebページ『スペシャルズ〜80年代イギリスの暑く長い夏が生んだポスト・パンク・ヒーロー』がその辺の経緯に非常に詳しいです。)
このスカの持つリズムは当時のオレの耳に物凄く新鮮に響き、オレの音楽好きの友人やそれまでロックをあまり聴かなかった友人までも巻き込んで、オレの周りではちょっとした2トーン・スカ・ブームになっていました。ではその頃に聴いていたスカ・バンドなどをちょっと紹介しておきます。
■ザ・スペシャルズ
と言う訳でスペシャルズ。スカのリズムの面白さもありましたが、全体的にスカスカ(シャレじゃないってば)でシンプルな音作りが風通しよくて気持ちよかった。パブやクラブの場末な匂い、町のその辺のニイチャンがやってそうな気安い感じ、モッズ風のタイトなスーツでキメたチープなオシャレさ、チンピラ臭いがマッチョじゃない、そういう要素もカッコよかった。あと、当時よく聴いていたニューウェーブ系ロックっていかにもアートスクール出の人たちが作ったみたいな、センシティブでエキセントリックなものが多かったけど、そういう音とは真逆な分かりやすさ、ストレートさも新鮮だったな。
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※今回も長いのでスペシャルズ以降のバンドについては《続きを読む》をポチられてください!
■ザ・マッドネス
スペシャルズと一緒に2トーン・スカ・バンドとして紹介されたのがこのマッドネス。2トーンのお笑い担当部門とでも呼べそうなコミカルさがなにしろ楽しかった!メロディの大仰な馬鹿馬鹿しさ、下品で安っぽく鳴り響くホーン、茶目っ気一杯の分かりやすく親しみやすい音とキャラクター、この徹頭徹尾明快なコンセプトで鳴らされるスカ・ビートが最高でした。日本でもホンダ車のCMに出演しそこそこ一般の知名度もあったんじゃないかな。
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■セレクター
スペシャルズ、マッドネスの後に紹介されたのがこのセレクター。黒人女性ボーカルのポーリン・ブラックを筆頭に、これまでの2トーン・スカ・バンドの中では最も黒人メンバー比率が高い分、音は重くてアグレッシブ、歌詞も政治的なものが多く、凄みのあるバンドでした。今回この記事を書くために聴き直した中で、今でも十分聴き応えのあるバンドだったな。なにしろポーリン・ブラックのヴォーカルがキュート。現在も活動しているらしいですが、ちょっとこれまで出てたアルバム掘り起こしてみようかという気になりました。
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■ザ・ビート
2トーン・スカとして紹介されたバンドの中でも最も玄人っぽく緊密な音構成がされていたのがこのザ・ビート。演奏力や技巧もとても高いバンドだったのだと思います。米国に同名バンドがいたらしくザ・イングリッシュ・ビートという名前も使われていたりしています。1stアルバムの完成度が非常に高く殆ど捨て曲無し、あの当時一番よく聴いていた2トーン・スカ・バンドは実はこのザ・ビートだったりします。オレの"青春の1枚"を選ぼうとするとこのザ・ビートの1stは絶対に外せません。2トーン・スカにDJスタイルと呼ばれるレゲエのトースティングを導入したのもこのバンドが始めてかも。当時メンバーにいたサックスのサクサという人は確か60歳ぐらいのお爺ちゃんだったんじゃなかったかしらん。
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■アンタッチャブルズ
イギリスの2トーン・スカに影響されてアメリカLAで結成されたのがこのアンタッチャブルズ。ちょっとロックンロール風味のスカです。UK本国ではすっかり2トーン・スカのブームだ去り、バンドも解散したり活動停止していたものが多かった時期のリリースだったので、このアンタッチャブルズが出た時は「スカも懐かしいなあ」なんて気持ちで聴いてました。
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