最近は町山さんの本読んでました

■アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢

はてなダイアリーでもお馴染の町山智浩氏のコラム集2冊。『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』は、序章で「笑って読んで欲しい」なんて書いてるけど、本文で触れられるアメリカの現実そのものは全然笑えない、むしろ慄然とするものばかりなんですよ。実際にアメリカに住んでいらっしゃる町山さんは、本当は「全く笑うしかねえよなあ」という苦々しい気持ちでこれらの現実と対峙してるんだろうなあ。
キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢』はもうちょっとコラムっぽくて、American Nightmare、Taking Care of Buisiness、Rock on The USA、Culture Wars、Boob Tube、Celebrity Meltdown、Nippon Daisuki!、American Dreamersといった章に分かれており、アメリカの犯罪や経済、文化と戦争、セレブのゴシップ、そしてアメリカンドリームというものの行方を、とても読み易く興味を引く文章で書いています。
しかしこれだけアメリカのどうしようもない部分を見つめながらも、町山さんはやっぱりアメリカという国のことが好きなんだろうなあ。アメリカという国はオレにとっても、かつて子供の頃映画で見てその豊かさや自由さに憧れた国だったけれど、最近はその強引な覇権国家振りにそんなふうには全然思えなくて、今や相当食傷している部分が多かったりします。
今若い人が外国映画、即ちハリウッド映画を観なくなっているなんていう話があるけれど、これって映画の良し悪しというよりも、アメリカという国への憧れが、オレのような世代よりも少ないせいなんじゃないかと思うんですよ。日本がアメリカ並みに豊かになっちゃった分、特別にアメリカにリスペクトする何かなんてあんまり存在しなくなっているんじゃないだろうか。地元の日本で十分じゃね?といったような。このオレだって「こんなのアメリカ人だけの問題だろ?」なんて思う映画があったりしますからね。
実際この本に書かれているアメリカは、想像以上にグロテスクで狂っていて、こんな国を好きになりましょうったってそうはいかないイビツな部分ばかりがピックアップされています。ただ、町山さんもそうなんでしょうけれども、日本みたいな横並びと足の引っ張り合いに汲々とする文化とは違う、きっぱりとした自己主張と風通しの良さを感じたりはするんです。オレがまだそんなふうに思えるのは、まだこの国に興味があるってことなんでしょう。
それにしても、キャリー・フィッシャーが映画『スター・ウォーズ』でレイア姫の役をジョディ・フォスターと競ったってホントなんっすか!?