シン・シティ:ハード・グッドバイ

シン・シティ:ハード・グッドバイ (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

シン・シティ:ハード・グッドバイ (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

シン・シティ第一巻、「ハード・グッドバイ」、待望の日本語化。いやね、原書は持ってましたが、斜め読みで…。あの、やっとストーリーが判りました…。(恥)
それにしても、あちこちで言われているが、こうして再読すると本当に構図から台詞から何もかも映画で再現しちゃってるんだね。はっきりいて映画でそこまでやる必要があったのかオレには疑問で、映画のレビューではストーリーの根っこにあるものの事を書いたけれど映画作品としては「怪作」ということになってしまうんじゃないかな。ただこれは原作のコミックを知らない日本の観客の感想を想像しただけなんだけど、アメリカの原作ファンにとってはこれでアリなのかな。
ただどうしても、原作の『光と影』のみで描かれたソリッドな描写は映画には無理な話で、映画のビジュアルは「これはコミックなんですよ」ということを主張しているだけになってしまわないだろうか。そして映画の”間”とコミックの”間”はどうしても違うし、これを完全に再現する、という考え方は少し無理があるんじゃないかな。例えばコミックでは小さなコマの連なりのあとに大きなコマを持ってきてリズムを作ったり、無駄なコマを延々使って主人公の内面を表現したりとかね。コミック自体が映画を目指したモノである事はパンフレットの町山智浩氏の文章なんかでも触れられているけれど、コミックのコマを映画に移し変えるのがコミックの再現なんじゃなくて、コミックの方便を映画の方便で語ることこそが真の移植なんじゃないだろうか。
それと、この1冊分のストーリーだけで1本の映画にしてほしかったです。そんな時間的ゆとりと”間”があれば、映画はVFXにばかり目が行ってしまう作品にはならなかったかもしれないと思う。
それにしても、マーヴ、かっこいい!もう、単なるゴリラよ。重戦車なんだよ。破壊の権化。殺戮の神。歩いた後に死体しか残らない。でもうじうじ死んだ女のことを悼んでるのよ。これがまたいいんだよ。痺れるぜ!
コミック買ったら映画のポスターも付いてきたし、PCの壁紙もシン・シティーだし、今オレの部屋では「シン・シティー祭り」開催中。あとサントラCD買って…。ちなみに今日の原稿は全てJOY DIVISION鳴らしまくって書きましたあ。