■Summers On Jupitor / Octave One
またもや
デトロイト。
デトロイト・テクノの重鎮
Octave Oneのニュー・アルバムは、どこまでもズドン!ボゴン!とぶっとく真っ黒に鳴り響くエレクトリック・ファンク!実は彼らの1stアルバムもこんなファンキーさに満ちた極太アルバムだったが、初期シングルをまとめたコンピレーションを先に聴いていたオレは、それらの曲にあった美しいメロディが聴こえなかった事に当惑し、あまり熱心に聴くことはなかった。しかしこのアルバムでは「ちまちませこせこなんてやってらんないもんね?タフでストレートな
ストロングスタイルがこちとらの身の上だもんね?」と言わんばかりのパワフルさがなお一層増量、ブッチギリの重量感で聴くものをガップリ押さえ込み、ドカボカと確信に満ちたビートを鳴らしております!もはやこれは聴く
レスリングなのか!?ジャケットのセンスの悪さも
デトロイトチックでグッド!
【試聴】
■Of All the Things / Jazzanova
ドイツのDJ&音楽プロデュース・ユニット
Jazzanovaのニュー・アルバム。
Jazzanovaの名は他アーチストのリミックス・ワークでよく目にしていたけど、オリジナル・アルバムというのは初めて聴いた。アルバムはユニット名にあるジャズのみならずソウル、ヒップホップ、ハウスなど様々なジャンルのテイストを持ち、クラブ系ながらアコースティック音主体で実に聴きやすく親しみやすい音として完成している。これはお薦めです。
【試聴】
■More Tales Remixed / Incognito
2008年発表の『Tales From The Beach』のリミックス・アルバム。90年代に
アシッド・ジャズ・シーンで名を馳せた
Incognitoだが、当時のオレはジャズ臭いものが体質に合わずあまり好きではなかった。今回こうして再びチャレンジしてみたのも、ジャイルズ・ピーターソンを最近よく聴くようになり、彼が以前運営していたレーベル「トーキング・ラウド」の看板アーチストがこの
Incognitoだった、という流れからだ。リミックス・アルバムということからか、ジャズ的なテイストというよりも普通にハウス・アルバムとして楽しむことが出来る。
【試聴】
■Everything That Happens Will Happen Today / David Byrne;Brian Eno
David Byrneと
Brian Enoのコラボレーションといえば1981年リリースのアルバム『My Life In The Bush Of Ghosts』を即座に思い浮かべるが、この『Everything That Happens Will Happen Today』は実に約27年ぶりの二人のタッグとなるらしい。『My Life In The Bush Of Ghosts』は同時期リリースされた
Talking Headsのアルバム『Remein In Light』と合わせ、大胆なアフリカン・ビートの導入が物議をかもしたのも今は昔か。さて今作『Everything That Happens Will Happen Today』は『My Life In The Bush Of Ghosts』の妖しい影は微塵も無く、EnoのオケにByrneのヴォーカルが伸びやかに響く実に朗々とした
オルタナ・ロック・アルバムとして完成していた。でもオレ
オルタナ趣味じゃないんだよなあ。『Bush Of Ghosts』が懐かしくて聴いたのにちょっと残念。
【試聴】
ベルリン・ミニマル・ダブの元祖といえばこの
Basic Channel。この『
BCD-2』は1993〜95年にリリースされたアナログ音源を1曲10分あまりもあるロング・ヴァージョンばかりで収めている。非常にダイレクトかつ贅肉を削ぎ落としたその音は音楽というよりも音響、音像、音圧そのものであり、まさに
泣く子も黙る鬼ミニマル。
アンダーグラウンドの臭いがぷんぷん漂うその音はダブよりも
ミニマル・テクノ寄りの曲が多く、昨今のヤワいクリック・ハウスを聴くよりも数段刺激的だ。
【試聴】
■Roots and Wire / Deadbeat
カナダのミニマル・ダブ・ユニット、Deadbeatのダブ・アルバム。ジャマイカン・オリジナル・ダブを漂白して図面を新たに引き直し、つややかな外観が与えられたようなエレクトリック・ダブが展開されている。
Basic Channel〜Rhythm & Soundでも活躍するレゲエ・ボー
カリストPaul St. Hilaireのボーカル曲あり。曲調はダブからエレクトレロ風のものまで様々であり、派手さはないがオーソドクスなエレクトリック・ダブを聴くことが出来る。
【試聴】