GUITAR EROS : JEAN-BAPTISTE MONDINO

Jean-Baptiste Mondino: Guitar Eros

Jean-Baptiste Mondino: Guitar Eros

フランス出身のモンディーノ(1949-)はディスクジョッキー、作曲家からそのキャリアがはじまり、いまでは写真家、ヴィデオ・アーティストとして活躍しています。彼のデジタル技術を駆使した刺激的なビジュアルは音楽、ファッション業界の戦略に多大な影響を与えています。現在は違う道で活躍していますが、音楽はいまでも彼の創作ソースで、特にエレキギターは大好きな楽器です。
ピカソ、ブラックが静物の一部として描いて以来、ギターはモダン、エロチシズム、音楽の象徴としてアート作品に度々登場しています。本書はモンディーノが過去約20年間に仕事やパーソナルワークで撮影したギター関連の写真がコレクションされています。
ギターを抱えたロック界の大御所、ミック・ジャガー、マドンナ、トム・ウェイツ、キース・リチャードから、モデル、セレブ、無名のギター演奏家たちが撮影されています。しかし、写真の主題はあくまでもモンディーノが愛するギターたちなのです。
http://artphoto-site.com/b_429.html

相当音楽は好きであるにも拘らず、オレは楽器を演奏できないし、ギターも当然弾くことは出来ない。だから楽器を演奏できる人たちというものに憧れると同時に、コードや演奏力などを知らない分、音の複雑さや技術などに頓着せずにその響きのみを楽しむことが出来るのではないかとも思っている。とか言いつつやっぱり羨ましいけど!
『ギターエロス』と題されたこの写真集は、ギターを抱え演奏する様々なアーチスト、またはモデル、そして様々な名前も知らない美しいギターの写真で構成されている。ギター好きの人ならこのギターはどうとかあのギターはこうとか、沢山の薀蓄がほとばしり出るかもしれない。ただなにしろオレはよく知らない。またしても悔しい。ただどのギターにしろその構造や意匠や装飾は艶めかしくも美しい。ギターを女体に例える事は良くあるが、そもそも楽器というものの形はどれも艶めかしいものなのだろうと思う。それはそれがただ音が出る装置という以上の情緒と人の温もりが直結したなにかだからなのだろう。言ってしまえば楽器というのは観念そのものの実体化なのかもしれない。
ここに収められた様々な写真に写された人々は、ただギターを抱え持っているというだけで、どこかの国の見知らぬ存在/被写体という枠を超え、奇妙に親しみを感じさせ、見ている者に何かを語りかけてきているように見えるから不思議だ。楽器というものが音を介したひとつのコミュニケーション・ツールとして存在しているから、そんなふうに感じさせるのだろうか。


ジャン・バプティスト・モンディーノ/アーティスト紹介http://artphoto-site.com/story99.html

作品紹介 http://www.artnet.com/Galleries/Exhibitions.asp?gid=423991310&cid=102331