今、テンガロンハットが熱い。

今、テンガロンハットが熱い。カウボーイが被ってるアレである。…と思ってちょっと検索かけたら、アレは厳密にはテンガロンハットと呼ばないらしい。*1
という訳で仕切りなおし。今、カウボーイハットが熱い。パリ、ミラノ、ニューヨーク、東京巣鴨。最新のファッション情報にハングリーで心の中はベタベタにアングリーな通称ファッション・ヴィクテムと呼ばれる×奇矯な○最高にクールなおしゃれピ−ポーの間で、この春最も注目されているオシャレアイテム、それがカウボーイハットである。勿論オールドイメージなマッチョで無骨なデザインのものではなく、パステルカラーやビビッドな原色、素材もフェイクファーやエナメル素材、ポリ塩化ビフェニールやプルトニウムを使用した新世紀仕様である。特に水銀チクロカドミウム素材を使い、生物的なフォルムにデザインされた「HEDORA」はミネラーゼの注目を集めている。え?ミラネーゼ?どっちもたいしてかわんねえよ。
どうでもいいが広告代理店みたい文章の書き方、アレはまずいと思うがな。「オレってば広告屋の言葉を鵜呑みにするのが大好きで給料全部マッチポンプしまくりの大量消費奴隷!」と巨大掲示板にCtrl+Vしまくってるみてえなもんだぞ。そもそも広告屋ばかり儲かるシステムってのが異常に思えるんだがな。
まあいい。上に書いた事は全部冗談だ。だが「カウボーイハットが熱い」という思いつきは面白いので少し続ける。
映画の世界でカウボーイハットを被ってる奴は大概基地外である。そうでないのも居ると思うが取り合えず断定してしまおう。『地獄の黙示録』で海岸線をサーフィンやるためにナパーム焼滅させたキルゴア中佐。そういえば途中で出てきたカウボーイハットのプレイメイトのお姉ちゃんも頭空っぽそうだったなあ。
博士の異常な愛情』の、水爆にロデオよろしく馬乗りになった機長も、カウボーイハット片手に振り回してなかったっけ!?同じくキューブリックの『フルメタルジャケット』、前半で憎悪と悪意を撒き散らすハートマン教官。(なんと!あの映画ベトナムシーンも含め全部イギリスで撮影されたんだって!?http://www.actv.ne.jp/~yappi/eiga/EE-06full%20metal%20jacket.htm)そのハートマン教官を演じたリー・アーメイが再び基地外を演じた『テキサス・チェーンソー』のホイト保安官。
そしてやはり基地外をやらせれば右に出るものの居ないデニス・ホッパーはどの映画でもカウボーイハットをかぶってるような気がする。
オレの大好きな映画『タクシー・ドライバー』でクソみてえなポン引きの役だったハーヴィー・カーテルもやっぱカウボーイハット被ってたな。
最近では『キルビル2』の酒浸りの殺し屋バドが純白のカウボーイハットで現われて馬鹿度をUPさせていたのが記憶に残っている。…とこう書き出してみると、なんか本当にカウボーイハットってぇのはヤバイ方が被ってる様な気がしてくる!?
音楽でも意識的なミュージシャンがカウボーイハットを被る事で荒っぽくて知能の低い雰囲気をわざわざ醸し出すこともある。そして、大概カッコイイ。いや、カントリー&ウェスタンの方がマジで被ってるのとは別の意味ですよ。マドンナのアルバム『MUSIC』での批評されたカントリースタイルってやっぱイカしてた。ペット・ショップ・ボーイズのニール・テナントもデビューの頃からよくカウボーイハット被ってたが、本当は相当な知性派なんだよね、アイツ。U2の連中もよくカウボーイハットを被っていなかったか。
という訳で、オレ的にはこれからの流行はカウボーイハットにあると睨んでいる。勿論オレの言う事だから、みうらじゅんのマイブーム並みに一切の普遍性が無い、というより、普遍性を拒否した所から新しいものは生まれると思う。…ってこれ今思いつきで書いたので鵜呑みにしないように。
じゃあやはりここまで言ったわけだから、オレも明日からカウボーイハットを被って町を練り歩かなきゃマズイかな。洋服はオレが今最も気に入っている貰いもんの赤ジャージ上下。靴はオヤジテイスト満載の黒革靴。(小バックル付き)う〜ん…って、これじゃあまるで北海道の貧乏農場のジジイの格好じゃないか!!

*1:リアルウェスタン:http://www.realwestern.jp/gear/hat/tengallon.html しかも風説で言う「10ガロンの水が入る」と言うのも嘘らしい。